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51歳、終の住処を考えるきっかけ事件 ①

51歳。
20代の頃は、一人暮らしをしていたものの、30代以降から今まで、実家で暮らし。今は80代の母と2人暮らしだ。

今年の年明け早々、母が転倒して骨盤を骨折した。

これが、最近、私が終の住処をどうしようか、本気で考えることになった発端。

母が玄関先で転倒し、救急車で運ばれたとの連絡を受け、
慌てて仕事を切り上げ、病院に向かった。

病院に向かう途中、色々、頭をよぎる。
「高齢者が骨折すると、認知症が悪化する?」
「このまま寝たきり?」
「どうしよう、介護」
「最悪、死んじゃったらどうしよう」
ぐるぐる、心配事が浮かんでくる。
いずれそんな時は来るかもと思いつつも、いざとなると、慌ててしまう。

年明け早々なだけに、仕事も忙しく、
予定していた会議を欠席したりと、仕事の調整をしつつ、
母が運ばれた病院に向かうため、
急行電車に飛び乗った。
焦ったって意味がない、
すでに病院に入るんだから心配したってしょうがない、
と言い聞かせながら。

あ〜、これで母がもし死んだりしたら、
とうとう天涯孤独になるんだな、などど心がざわつく。

結局、母の心配より、自分の心配かよと、自分に毒づきながら、
ジリジリした思いで電車に揺られ、
病院に到着。

救急室に通されると、

生きてた。。

母がポツリと車椅子に乗せられたまま座っている。
母に声をかけると、
「すっごい痛い、立てない、歩けない」
と、不機嫌そう。

医師に聞けば、骨盤にヒビが入っていると。転倒で頭も打ったようで、検査したらしいが、とりあえずは様子見とのこと。

ほっと一安心。
これでしばらくは入院だろう。一旦、家に帰って入院に必要なものを持ってこよう、と考えた矢先。

『それじゃ、骨折だけど、手術の必要はないから、これでおしまい。帰っていいよ』と、医師。

えっ? え? えっ?
帰れって? 立てないのに?
歩けないのに?
入院は?

『もう病院ではやることないから、帰って。痛み止めは出しとく。終わり』と。

だって、どうすんだよ、今日くらい入院しないわけ? と、ひとしきり押し問答したものの、帰れの一点張り。

そりゃね、わかるよ、手術しないんじゃ、病院にいても、家にいても痛み止め飲んで寝てるだけだろっていう理屈は。
でも持病もあるし、頭を打ったんだから、今日は入院させてほしいと言っても、『ベッド空いてないしね、残念だったね』と。

段々、イライラしてくる。
言い方あるだろ、と思いつつ、
他の病院でベッドが空いていないか探してもらえないですかねと下手に出てみても。
『もう、みんな仕事終わりの時間だから探せないよ』と。

そうですか、そうですか、わかりました。帰りますとも!

帰ろうと思ったものの、
さてどうやって帰ろうか。
車イスから立ち上がれもしない。
家の玄関には段差もある、
さすがに母を抱いて、家に入る自信はない。悩んでいると。

すかさず、『車イスは病院のなので、貸せません』と。

盗まねーし、借りねーよ!という表情で、思いっきり見返してやった。

そうだ、介護タクシーなるものがあったはず。
車イスに乗って、泣きそうな母の隣で、今から迎えにきてくれる介護タクシーはないか、片っ端から連絡してみる。
でも、もう夕方で電話の向こうからは、本日の営業は終了しましたとの、アナウンスばかり。
はぁ、泣きそう。

病院の受付の人たち、あがる準備か、片付けを始める始末。

ちきしょー、病院って、こんなに冷たいとこでしたっけ?

やっと1件の介護タクシー会社につながって、今から迎えに来てくれると言う。

助かった、とりあえずは帰れる手段は確保した。

さて次は?(続く)

#終の住処 #高齢者の骨折