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偽自由律――夏に送る

たましいを海にかえす日

肌焼く日差し連れて水底を覗く

ラムネ色の血が線路にこぼれている

36.4度が詰まった冷蔵庫が行く

坂上がる自転車を羨む対向バス

君と笑うはずの日々を思い出に埋める夏空

足裏のマメつぶす指先が濡れる

ドラマを追うというドラマ

似つかぬひとの轍を辿る幻想が呼ぶ

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