こんなことになってごめんなさい(2022年6月の日記より)
真っすぐに努力していれば、いい出会いがある。
いい出会いのために、頑張れ。
頑張ってよかったなと思う時が必ず来る。
偉そうに娘にはそう言っていた。
しかし、私が辿ってきたのは、真っすぐな努力ではなく、怠惰な20代を取り戻すための、ただの巻き返し作業だった。
コツコツと努力をし続けてきたわけではない。
娘には、早い段階から真っすぐな努力をコツコツと積み上げ、良い出会いに巡り合う、好循環をベースに成長していって欲しいと願っていた。
私の様な卑屈さとは無縁であればよいと思った。
一方で自分は、怠惰な20代の巻き返しに、表面上は成功して、なんとかイーブンにまで漕ぎ着けた。
しかし所詮付け焼刃な帳尻合わせで、結局地に足が着かなくなってしまった。
キャパオーバーに陥り、娘にも父親として、最低限守るべき安心を守ってやれなかった。
娘が生きていれば、それも巻き返して、イーブンと認めて貰える様に、軌道修正していただろう。
後で振り返れば思い出話の一つにでもできたかもしれない。
しかし、そのさなか、娘は突然に命を奪われてしまった。
私は、彼女を守れなかった。
3月に刑事裁判が終わり、2カ月が経った。
張り詰めていた糸が切れた様に、自分の為すべきことを見失った。
近頃は、夜中に、苦しくて涙を流すようになった。
どうしてこんな事になってしまったのか。
一生懸命に生きて、あの世で会った時に、沢山土産話を持っていきたい。
だから一生懸命生きるんだ。
ある人はそう言っていた。
しかし、私は根が怠惰な人間だからなのか、一生懸命の生き方が分からない。
娘に会って、ただただ謝りたい。こんなことになってごめんなさい。
悔しかったよね。こんな事があって良いはずがないよね。
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