
Metallica (Metallica) #私を構成する42枚 より
先日、このような記事を書きました。
Twitterのハッシュタグに乗っかって作った42枚のアルバムジャケット画像です。
せっかくなので、一枚ずつ思い出話を書いていこうと思います。
まずは大サイズの中から『Metallica』
通称『ブラックアルバム』と呼ばれるこの作品は、1991年に発売されました。
私が洋楽を聴き始めたのは1994年からなので、リアタイではありませんでした。
しかし、洋楽ハードロック/ヘヴィメタルに目覚めたギター小僧がそのアルバムの存在を知るのに時間はかかりませんでした。
当時でもかなりインパクトがありましたが、その後たくさんの音楽を聴くようになって、改めてこのアルバムの凄さが分かるという珍しいタイプの作品です。
定期的に聴きたくなるんですよね。
私はメタリカのファンかというと、そうではありません。
このアルバムを通して過去の作品も聴きましたし、その後の『Reload』までは聴きました。
しかし、そのどのアルバムとも次元が異なるのがこの『ブラックアルバム』です。それはバンドメンバーも自覚していたと思いますし、それをもう一度作ろうと思わないことも理解できます。
それくらい、二度と作れないタイプの作品であると思われます。
この作品が何故そこまで魅力的なのかは中々言葉では言えませんが、それまでのスラッシュメタルというある種確立されたジャンルから離れ、彼らのエッセンスだけを抽出して叙情的ポップに仕上げた、と言った感じでしょうか。
スピードナンバーの爽快感、ミドルテンポのグルーブ感もいいですが、何といってもバラードが秀逸です。
そしてこれまでは少し冗長だったインスト部分をざっくりカットし、まったくもって無駄のないスマートな曲に仕上がっています。
にも拘わらずリフの展開も単調ではなく、リズムの変化を伴って常に新鮮さを維持しています。
非の打ちどころない作品だと思います。
メタルサウンドを好む人はもちろん、ポップロック系のリスナーのハートも捉える見事な仕上がりです。
逆にスラッシュオンリーな人にとっては耐え難い作品であったかもしれません。
しかし結果的にこの作品を通してスラッシュメタルを聴く人も増えたと思います。私もそうですが、マスターやジャスティスには好きな曲もあります。
しかし、聴く頻度は少ないですね。
この作品は今聴いても新しいし、唯一無二感を維持している驚異的な作品という位置づけです。
そんな作品、2枚も作れないっしょ!
というのが正直な感想ですので、それ以降のアルバムが期待外れでも納得です。
Pinkfloydの『狂気』に匹敵するくらいの奇跡的作品ですので、聴いたことのないロックファンは必聴です。