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第2章(君へ会いに行く):その1 出陣準備

「では決まりましたら
お電話差し上げますので…」

「わかりました…」

籾井先生の診察後、
看護師さんと
入院に関する打ち合わせをしてから
帰るよう言われていた僕。

その席では
入院に必要なこと(必要物品とか規則とか)はもちろん、
顔面神経麻痺がある僕が
食事をするときのアドバイズなど
ためになる情報も教えてくれて良かった!

でもね~

てっきり入院日(手術日も含む)も
教えてくれるものと思っていた僕には何か物足りない…

(肝心なことは後日かよ…)

苦虫をかみつぶしたような表情で家路についた僕は、
それ以降スマホを常に肌身離さず携帯して
突然かかってきても対応できるように
準備していたんだけど…

(なんじゃい!
待てど暮らせど電話がかかってこんやないか~い!)

あれから数週間が過ぎ、今年も残り1ヶ月を切っている。

(出来るだけ早く…
年内に手術が受けられたらうれしいですって
念を押してお願いしたつもりなんだけどな~)

学生の頃入院した時は、
開頭手術までにさまざまな検査をして、
それには2週間くらいかかったはず!

だから今回も
逆算して12月初旬までに連絡がこなければ
年内手術は難しいだろう

そう思っていた僕は半ば諦めモード…

そこで、年内は見切りをつけて…
今一度入院時に提出する書類や入院に必要な荷物を
じっくりと確認してみることに。

  • 入院誓約書

  • 輸血が必要になったときの使用可否書

  • 病衣・オムツ使用申込書

  • 退院支援計画書

こういうのは躊躇することなくサインできたんだけど…

  • 特定生物由来製品使用承諾書

(なんだこれ?)

特定生物とか…

宇宙人が育てた…

本来なら自然界に存在しない生物…

君は…
君は…

怖わ~~~

でもね、

今はそんなことで迷う時間などない!

そう我に返った僕は、
書類を熟読した後にサインした。

(あれ?嚢胞の手術だけじゃなかったっけ…)

なぜか、手術の説明書類には
2つの術式が書かれている…

  • 頭蓋内腫瘍摘出術

  • 頭蓋底部硬膜閉鎖術

最初の術式は嚢胞に対するものと思うんだけど、
次の術式はいったい何なのかな…

閉鎖術って?

説明書をよく読むと…

開頭部位が副鼻腔につながる可能性があるから
通り道?を封鎖するみたい。

難しく書くと~

嗅神経の近くに嚢胞があるから、そうしないと
術後に臭いがわからなくなる可能性がある
んだって!

ただ、それによって

術後に合併症が出る恐れがあると…

(合併症って何だ?)

そこには

  • 髄膜炎

  • 脳炎

  • 髄液が鼻から漏れる

など、ほかにもいくつか病名が書かれてある。

(ま~こんなの何百・何千・何万人に1人とか…
そんな確率で起こるリスクなんじゃないの?)

そう思った僕は
それ以上深く考えることは止めてサイン!

ま~なんとかなるやろ~

ー つづく ー 


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ヨワヨワマン辛島
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