脚本研究:遠い空の向こう

※ この記事にはネタバレを含みます。

ジャンル ------------------
人生の節目

ログライン------------------
炭鉱で栄える田舎町の男子高校生たちが、ロシアの衛星スプートニクの打ち上げに影響されて、自作ロケットで宇宙を目指す。

テーマ------------------
未来は自分で切り開くもの

【オープニング・イメージ】
ロシアの衛星、スプートニクの打ち上げ成功のニュースを手持ちのラジオで聞く炭鉱掘りの男。エレベーターが炭鉱へと降りていくと、次第にノイズが強まり、そして完全に電波が途切れる。

【テーマの提示】
父親が取り仕切る炭鉱の炭鉱夫から、「この町で生まれたなら、スコップを握れば立派な炭鉱夫になれる」と言われる。

【セットアップ】
炭鉱夫の息子であるホーマーは、炭鉱の仕事に希望を持てないでいる。しかし、スポーツで奨学金を狙う兄と違い、何の取り柄もない彼は、父親から炭鉱で働くことを期待されている。

【事件】
そんなある日、ロシアが打ち上げに成功した衛星スプートニクが世間を騒がす。夜空を流れるスプートニクを目撃したホーマーは、ロケットに憧れを抱く。

【悩みのとき】
早速、自作ロケットの打ち上げを行うが、1号機は庭で爆発、2号機は炭鉱の事務所へと突っ込んでしまう。父親の怒りを買ってしまったホーマーたちは、炭鉱敷地内でのロケットを禁じられる。発射実験が可能な場所を失ったホーマーたちは、諦めムードに。

【第1ターニングポイント】
しかし、諦めきれないホーマーは、8マイル先にある空き地で打ち上げを続けることを提案。仲間たちを説得し、科学フェアを目指してロケット開発を再開する。

【お楽しみ】
いくつものロケットを作っては飛ばすも爆発してしまう。しかし、試行錯誤を繰り返す内にロケットは爆発しないようになり、また少年たちの姿を見て応援する人が増えていく。

ロケットを馬鹿にする父親とは何度も衝突する。

【仮初めの成功(MP)】
14号の打ち上げには、町民やクラスメイト新聞記者など大勢が集まる。そこにはホーマーの家族もいたが、父親の姿はない。打ち上げは成功し、翌日の新聞に取り上げれる。

【迫り来る悪い奴ら】
しかしこれがきっかけとなり、先日発生した山火事の原因が墜落したロケットであるとされ逮捕される。すぐに釈放されたもののホーマーたちは、ロケット作りを辞めざるを得なくなってしまう。

そんな最中、炭鉱の事故で父親が大怪我を負う。また、ロケット作りの手助けをした罰で坑道行きになった炭鉱夫が死亡してしまい、責任を感じたホーマーは高校を休学。炭鉱で働くことを決意する。

【死の気配(BP)】
炭鉱掘りとしての日々を過ごす中、ロケット作りを応援してくれた女性教師が病気であることを知ったホーマーは、ホーマーたちに対する彼女の期待を知る。

【心の暗闇】
女教師の想いを知ったホーマーは、自室で物思いに老ける。そして、おもむろにロケットについて書かれた本を取り出し、ページをめくる。

【第2ターニングポイント】
炭鉱で働きながら数学を学び、山火事の原因とされている13号の落下地点を割り出すことに成功。13号を回収し山火事の原因がロケットではないことを突き止め、ロケット作り再開を決意する。

【フィナーレ(解決)】
学校と警察の誤解を解いたホーマーは復学し、科学フェアで優秀賞を受賞する。時を同じくして、病状が悪化した女教師が入院する。ホーマーたちは、最後のロケットに彼女の名前を付け、点火スイッチをホーマーの父に依頼する。父親によって打ち上げれたロケットはどこまでも高く飛んでいき、女教師は病室から空を見上げてロケットの行き先を見つめる。

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