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イジン伝~桃太朗の場合~

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『イジン伝~桃太朗の場合~』連載投稿を読みやすくするため、この一編をマガジンにまとめます。ご利用下さい。
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#短編小説

イジン伝~桃太朗の場合~ⅰ

第一回~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  朗(あきら…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅱ

前回記事【朗(あきら)は今、「最高」に人生を謳歌している。  十四年の生涯で今日は絶対に…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅲ

前回記事【「残念だったな。木地川と犬村はどうした」  朗は飲料で汚れた顔を袖で拭いながら…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅳ

前回記事【 二人はその場に腰を下ろし、明けつつある空を見上げる。天球面、東西に等間隔で配…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅴ

前回記事【 鬼は声の発せられた方向へ殺到する。針金状の体がぎらぎらと、なにやら殺気立って…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅵ

前回記事【 そこには太陽の一つからまっすぐ光が差し込んでいた。ビルの白い外壁と外壁の間に…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅶ

前回記事【 犬村は長い両手足をだらんとぶら下げて宙に浮いていた。美しい白肌は透明感を失って濁りつつあった。眩しさを堪えるように半ば開き半ば閉じられた瞼は細かい痙攣を繰り返している。横向いた顔、口からは赤い血が雫になって落ちている。雫は彼女の下に小さな水溜りを作っていて、早くも端の方から赤黒く凝りつつあった。  血溜まりの側には木地川が泣きながら掴み縋っていた。四角縁眼鏡の奥に切実な形相があり、目は一点を睨み、歯を食いしばって口の形は歪んでいる。その視線の先にあるのは、鬼だった

イジン伝~桃太朗の場合~ⅷ

前回記事【 木地川が朗たちに気づいて叫び、二人は再び走り出す。朗たちは何か言おうと口を大…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅸ

前回記事【 犬村は口を拭って袖口についた血を見、顔をしかめた。「どういうこと」  彼女は…

白庭ヨウ
4年前
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イジン伝~桃太朗の場合~ⅹ

前回記事【「昔々、鬼ヶ島におじいさんとおばあさんがおりました」  朗のいる教室では、クラ…

白庭ヨウ
4年前
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