食べ物の重み
日曜日の朝。いつも通りブルックリンミュージアムのマーケットへ向かう。移動は車だが、今日はひとりなので、アパートを出る時に運ぶ荷物がいつも以上に重い。ふと何がこんなに思いんだろう…とバッグの中を見返してみた。売り物のレコードやセット用のテーブルなどの他には、大きなボトルに飲み水、小さな方にはコーヒー、イワシの缶詰と自作のパスタ、あとマフィンなど…けっこう食べ物が多いことに気がついた。つまりこの重さは、ほとんど全て僕のからだに摂取される重量なのだ。そしてそれは当然どこかに消え去るわけではなく、しっかりと体重に加算されるのだ。僕はこんなに重い物を毎日食べたり飲んだりして、身体に吸収していたのか。すると僕の体は、食べた物の分だけ毎日毎日少しずつ重くなり、だんだん大きくなり、数ヶ月も経てばきっと巨人のようになるのではないか。僕だけではない、世界中の人間や全ての生き物たちは、食べた分だけどんどん巨大化し、やがて地球の大地を全て覆い尽くすだろう…そう思うと、今日はやけに荷物が重いなぁ。