【働く×人生デザイン】使えるジョブ・カードを作りたい
キャリアコンサルタントの国家資格化に合わせて変化したものに「ジョブ・カード」があります。
もともとは仕事を通じて得た経験を証明できる手段として開発されたものなのですが、実際にはあまり活用されていません。
私はジョブ・カード制度が出来てから「これ何とか使えるようにしたいなあ」とずっと思い続けてきました。
ジョブ・カードの始まりは、就職氷河期の世代の方で、正社員の職歴がなく経験やスキルを証明することが難しいところから、実際にやってきた業務を細かく棚卸しすることで、就職する際にアピールポイントを掘り起こすために開発されたものです。
そこへ「リーマン・ショック」が起き、非正規雇用の方々の大量失業が発生しました。
2008年から一部職業訓練でジョブ・カードの導入が始まりましたが、雇用保険がない人向けの職業訓練である「基金訓練」でジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティングが導入されました。
その後、事業仕分けで廃止になることが検討されたり、キャリアコンサルタントの国家資格化と共に「セルフ・キャリアドック制度」に係る助成金に導入されたりと、ジョブ・カードの取り扱いにも変化がありました。
また、ジョブ・カードの書式も、当初はそのまま履歴書として使用できる形でしたが、その後改良を重ねて、キャリアコンサルティング重視とした面談記録を蓄積していく形に変化しました。
またスマートフォン用のアプリも用意され、アプリを起動するとフォームから必要事項をフリック入力すると、クラウド上でExcelファイルとして保存できるようになりました。
しかしながら、改良を加えて進化しているジョブ・カードを、実際に求職者や企業内で労働者に活用できているかといえば、ほとんど使われることなく今に至っております。
これは助成金主導の導入政策が逆効果になってるんちゃうかと思っているのです。
私としては
●ジョブ・カードの「様式2」をしっかり作り込む機会を作りたい
→個人の職業人生を、「仕事自分史」と捉えて整理することで、自分軸を知り自分の人生をブランディングすることができるようになる
●ローカルベンチマークと連動することで組織内人材育成に活用したい
→「ローカルベンチマーク」とは経済産業省が推進している、企業の「健康診断書」。
企業が定期的にローカルベンチマークを更新していくのと、従業員の定期面談でジョブ・カードを更新していく仕組みを作りたい。
組織の未来予想図を描きつつ、組織の方向性を定め、人材育成のプランを作り実践していく、という使い方が理想的。
という妄想を、ジョブ・カードが出来た頃から思い続けています。
少し前まで「ジョブ・カード勉強会」を定期開催していましたが、助成金の終了と共に休眠状態。
も一度復活させて、ホンマに使えるジョブ・カードを追求していきたいです。