見出し画像

参加したきっかけは?活動で心がけていることは?大学生ユースワーカーにインタビューしてみた

こんにちは、プロボノメンバーの水口です。
ユースのリビングは、中高生をはじめとした10代の若者たち「ユース」のための居場所です。
ユースたちが自由に訪れて、学びや遊び、くつろぎを通じて、安心して自分らしくいられる場をつくっています。

ユースのリビングを支えるのが、大学生を中心とするユースワーカーです。
ユースワーカーは、来てくれたユースに寄り添いながら、ユースたちのやりたいことを引き出し、その実現に伴走します。
また、一緒に遊んだり、勉強を教えたり、彼らの悩みを聞いたりと、さまざまな形でユースをサポートしています。

今回は、第3職員室でユースワークに取り組む3名の大学生メンバーで座談会を開催。
参加したきっかけや、活動でする上で心がけていることなどを聞いてみました。

参加メンバー:たまちゃん、ゆきちゃん、こうすけくん、水口(以下:もっちー)

プロフィール
たまちゃん:金沢大学4年生。合唱サークル所属。就活への違和感を覚え、現在は休学しながらさまざまな活動に参画しています。ユースのリビングでは現場スタッフ、ユースワーカーとして活躍しています。

こうすけくん:金沢大学3年生。高校時代からかるたに熱中し、大学ではサークルを立ち上げ。ユースのリビングでは現場スタッフ、ユースワーカーとして活躍しています。

ゆきちゃん:東京外国語大学4年生。実家がかほく市で、東京と金沢を行き来しながら、ユースのリビングのスタッフ、ユースが集うオンラインコミュニティーのメンバーとして活躍しています。

(左からたまちゃん、こうすけくん、ゆきちゃん)

親でも親戚でも大学の先生でもない、いろんなおもしろい大人と出会える

もっちー:3人が参加したそれぞれのきっかけについて教えてください。

たまちゃん:
今、大学4年生です。
いったん立ち止まりたいと思い、今年の4月から休学しています。
ただ何となく時間を過ごしてしまう気がして、休学中になにかやれることを見つけたいなと思いました。

そんなとき、以前他の活動で知り合った高山大生(以下:たいき)さんに相談したところ、この活動を紹介してもらいました。
たいきさんが施設長として活動しているユースのリビングとユースセンター金沢「ジュウバコ」の現場を見学させてもらい、ここでの活動に参加しながら、やりたいことを見つけていこうと思いました。

もっちー:
ここでの活動に参加したいと思った決め手はなんだったんでしょうか。

たまちゃん:
いろいろなおもしろい大人や学生が参加していることだと思います。
今までの人間関係は、サークル内でほとんど完結していました。
でも、ここならサークルでは関われないような、おもしろい人といっぱい出会えそうな気がしたんです。

親でも親戚でも大学の先生でもない、いろいろな大人としゃべる機会が多く、それが楽しいと感じたのも理由かもしれません。

能登のことを思いながら東京へ戻った私が見つけたかかわり方

もっちー:
ゆきちゃんはどうですか?

ゆきちゃん:
私は、能登で地震が起きた当時は、現地でのボランティアに参加したいと思っていました。
もともと、NGOでフィリピンの農村に小学校を建てるプロジェクトに参加していて、ボランティアに参加することへの抵抗はありませんでした。
過去に千葉や福島、茨城などで豪雨被害が発生したときにも、泥かきボランティアに行ったことがあります。

能登で地震が起きたとき、私は羽咋市の親戚のところにいて、大きな揺れを感じました。
被害が少なかったとはいえ、実家も停電や断水が続くなど、何かしたい、けど何もできない、というもやもやとした気持ちを抱えたまま東京に戻りました。
なので東京に戻ってからも、何かできることがないか、ずっと考えていたんです。

この活動を知ったのは、中学校の同級生からの紹介です。
2月に金沢に帰ってきて、実際にユースのリビングを見させてもらい、2次避難しているこどもたちが対象ということで、間接的にも復興支援に関われると思って参加を決めました。

あのときはなにもできなかった。でも今度こそなにかしたい

もっちー:
こうすけくんはどんな感じでしたか?

こうすけくん:
この活動に参加するまでは、大学やバイトに行く以外は自宅で動画などを見る生活で、大学生活を怠惰に過ごしてしまっていました。
本当にこのままでいいのか、何か打ち込めるものはないだろうか、という危機感を持ちながら、どうしていいかわからなかったんです。

そうしたなかで能登で地震が起き、東日本大震災を思い出しました。その当時、僕は小学2年生で、自宅のある栃木県にいて大きな揺れを感じました。
停電や余震が続くなか、親は必死に家族を守ってくれましたし、多くのボランティアが支援に乗り出すのをニュースで知りました。
そんな様子を見て、子どもながらになにかしたい、でも何もできない、という歯がゆさを感じていたんです。

身近なところで大きな災害が起きた今度こそ、何かしたいと思って大学のボランティアセンターに相談したところ、この活動を紹介してもらいました。

日々の活動やイベントを通じて、どんどん新しい自分になっていく

もっちー:
これまでの活動で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

ゆきちゃん:
8月に開催したキャンプイベント「とびだせ のとキャン」が印象に残っています。
これは能登にゆかりのある中高生が中心となって、つながりをつくるイベントで、これまではご飯をつくって食べたり、ゲームをしたりするイベントをやってきました。

のとキャンは「夏にキャンプがしたい!」ということで、ユースと一緒に企画しました。
正直、大変なこともありましたが、当日は参加してくれたユースが楽しんでいる様子を見ることができてうれしかったです。
最終的に、17名も参加する1泊2日の大きなイベントを完走できたので、大きな経験になりました。

こうすけくん:
僕は、初めてジュウバコに行ったときですね。
今までユースセンターという言葉も知らないなかで活動してきて、ジュウバコは初めての「他のユースセンター」だったんです。

ちょうど高山珈琲というイベントをやっていたので参加しました。
僕らがつくる場所は、ジュウバコみたいにする必要はないけど、近い温度感を持ってできたらいいなと思ったんです。
ユースセンターには多様性があって、いろいろな可能性があることを知りました。

たまちゃん:
一番印象に残っているのは、ユースとの何気ない会話で、「今日はたまちゃんがいるからリビングに来たい」と言ってもらえたことです。
自分もそんなふうに思ってもらえるような人になってるんだ、というのが素直にうれしかったです。

この活動を通じて、どんどん新しい自分になっている感じがします。
休学中はできるだけ誘われたイベントには全部参加してきました。だんだん、いろいろな機会に誘われるようになり、より多くの人と出会うことができました。

何気ない会話のなかに喜びを実感するたまちゃん

一緒に遊んでしゃべって、同じ目線に立って中高生とかかわる

もっちー:
ユースと接しているなかで心がけていることはありますか?

こうすけくん:
「(自分たちは)年上の人間じゃない」って思うことでしょうか。
表面上の言葉に気をつけるのはもちろんですが、ユースと同じ立ち位置にいるように気をつけています。
ユースから見ると年上の大学生だけど、気軽に話せて一緒に遊べる、身近な存在だと思ってもらいたいですね。

たまちゃん:
気をつけている意識はあまりないですが、できるだけ自己開示するようにしています。
もともと自分のことを話したくて話しているところもありますが、それが自己開示になって、そうするとユースもしゃべってくれるようになるので、今はそれを意識するようになりました。

ゆきちゃん:
私はオンラインでユースと接する機会が多いのですが、そのなかで意識しているのは、全員からなにかしらの話を引き出すことです。

ユースとのミーティングのなかで、そのときのテーマに関係なくても「今日は何したの?」「前にこれ好きっていってたよね。これやるのはどう?」とあえて聞くようにしています。
オンラインのミーティングでは、空間で区切ることができないので、参加しているみんなで一つの空間、一つの雰囲気をつくり上げることを意識しているのかもしれません。

一緒に勉強するゆきちゃん

試行錯誤するなかで、挑戦できるものを見つけられることも

もっちー:
いろいろなことに挑戦したいと思う一方で、なかなか挑戦できない、挑戦するチャンスがない、という悩みを持っている大学生に、どんなことを伝えたいですか?

こうすけくん:
僕もこの活動に参加するまで、どこに情報を探しに行けばいいのか、自分にはどういうものが向いているかがわかりませんでした。

たまちゃん:
最初の一歩はどうにかしないといけないとしても、いろんなことにつなげてくれる人に会いに行ってみるのはいいと思います。

私は、たいきさんに話を聞いてみようって思って、会いに行った時に、「こんなイベントがあるから行ってみたら」とか「こんなイベントあるよ」という感じで紹介してもらったことがきっかけになりました。
そんなふうに誰かに会いに行って、その先でなにかを紹介してもらったり、つなげてもらったりするっていうのは大事だと思います。

私も、やりたいことがわからないなりにも、次これやってみようかな、こっちのほうがいいかも、と試行錯誤したなかで、この活動に出会った気がします。

ある日のリビングの様子

こうすけくん:
僕は今まで歩んできた人生のなかにヒントがあるような気がします。
小学生のとき、特別支援級にいた経験があったからここで活動できると思ったし、東日本大震災のときに自分がなにもできないって感じたことがきっかけで、今回はすぐ動こうって思えました。

過去のくやしさを原動力にしてみようとか、あのとき中途半端になってしまったことにもう一度チャレンジしてみようとか。
そうやって、いままでの人生でやりきれなかったことを、もう一度やりはじめてみるのもいいんじゃないかと思います。

ゆきちゃん:
私は、何かしたいけどできないという悩みを抱えていることが鍵な気がします。
それだけ悩んでなにかしようと思っているそれそのものが大きいと思うんです。
もし相談をされたら、そのときに自分が持っているものをできるだけ紹介したいし、自分が持っていないものだったら、他の人に相談することも勧めたいですね。


いかがでしたでしょうか。
ふだんの活動では、どうして参加しているのか、どんなことを意識しているか知る機会がないので、今回、お互いの尊敬しているところを聞いてみたところ、メンバーそれぞれの思いに触れられた貴重な機会になりました。

ユースのリビングでは、私たちと一緒にユースワークに取り組んでくれる大学生メンバーを募集しています。
詳しい活動や募集要項は、こちらのページをご覧ください。
また、この記事を通じて活動に興味を持っていただいた方は、ぜひInstagram公式アカウントのDMからお気軽にお声かけください!

(取材日:2024年9月29日 ライター:水口)

関連記事はこちら!

第3職員室ユースワーク 各種SNSのURLはこちら!

ホームページ

Instagram(活動情報発信中)

https://www.instagram.com/yc_kanazawa/

X(旧Twitter)

応援団申し込みフォーム:

「ユースのリビング」施設情報

ホームページ

Instagram(活動情報発信中)

https://www.instagram.com/dai3_youthwork/

公式LINE(イベントや開館情報発信中)

Facebook(第3職員室ユースワークの情報発信中)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?