医者との相性
歯医者に行った話の続き。
「何か変わったことはありませんか?」
6ヶ月ぶりの来院だから聞かれたのか、それが決まり文句だから聞かれたのかはわからない。
歯科衛生士さんに答えた。
「葉が滲みるところがあるんですよね」
これは事実。
冷たい飲み物を飲んだり、熱い飲み物を飲んだりした時にしみる。
柔らかくない食べ物を噛んだ時は、同じような場所に違和感がある。
痛みまではいかないのだけど・・・。
私自身は虫歯を疑った。
鏡で確認できたのは以前治療した虫歯の後だった。
4年くらいになるだろうか?ちょっと思い出せない。
虫歯を削り、詰め物をする。
標準的な虫歯治療だと思う。
削った歯と詰めた物質の間に隙間ができて、そこからミュータンス菌が入り、虫歯になることがあるそうだ。
詰め物が劣化しているとも言えるし、歯が弱っているとも言える。
なんにせよ、一度治療した部位は永遠に同じ状態ではない。
時間の経過とともにおかしくなっていく。
そのタイミングが訪れたのかと思った。
私が感じている歯の症状を伝えると、定期検診とは別にレントゲン撮影をすることになった。
諸々の検査の結果、歯科医の判断は「虫歯はあるのだけど、虫歯の影響ではなさそうだ」とのこと。
歯を削りたくない私ととことん気が合う。
では、なぜ滲みるのか?
歯科医の判断はこうだ。
食いしばりや歯軋りによって神経が刺激されているのではないか?
食いしばりも歯軋りも自覚がある。
それが原因で神経が刺激を拾っているのだ、と言われたら納得だ。
「今日この話を他にも3人にしている」とのこと。
それは正午あたりの出来事だったので、半日に3人。世間には歯を食いしばっている人が多いのか?
「どうしましょうか?」私は対処法について確認した。
またまた私好みの回答が返ってきた。
「注意するしかないです。」
惚れ惚れする。
歯科医は私に対して「あなた次第だ」と言っているのだ。
くすぐるではないか。
私の心を。
以前通ったことがある歯科医は、歯軋りの跡がある私の歯を見て、「マウスピースを作るしかない」と言い放った。
私は「そんなもの原因の解決に向かわないじゃないか。金かけて誤魔化しているだけじゃないか。」と思った。言わなかったけど。
拝金主義なクリニックに感じた。
やたらと削るし、何度も通院させるし、マウスピース作らせようとするし。
ところが、今通っているところの歯科医は「お前次第だ」と言ってくるのだ(違うかもしれない)。
私は快く承諾した。「注意します。」と。
作戦はないわけではない。
とりあえず覚醒中はあの手この手で噛み締めないようにする。
例えば、鼻で吸って口で吐く呼吸を行えば、噛み締めることは減る。
マイケル・ジョーダンのようにベロを出すのもいいだろう。
ベロで上顎を押し続けるもいいかもしれない。
しゃくれた状態を保つのも悪くない。
自分で注意しようと思えば、いろんなやり方がある。
もちろん姿勢に気をつけるとか、ストレスを管理するとかもベターだ。
歯軋りに関しては、眠っている間のことなので、コントロール外だ。
医師に何かをしてもらいたい患者は大勢いる。
医師に限らず、「誰かに何かをしてもらいたい」人はとても多い。
そして「何かをしてあげたい人」も大勢いる。
それが原因の解決に向かわなくても、アリバイ的であっても、「何かをして欲しいし、してあげたい」のだ。
私は、どちらでもない。
「自分でどうにかしよう」派だ。
助言を求められても「自分でどうにかできる方法」を伝える。
もちろん自分自身へも、「自分でどうにかする方法」を探り続ける。
手に負えないレベルというか、自分でどうにかできない境界線の見極めはしているつもりだ。
自分でどうにかしたい私と、今通っているところの歯科医は相性がいいのかもしれない。
歯科医としての技術はまだ測りかねているが、歯科医の姿勢に対しては信用している。
患者としては相性の合う医師に出会えるのが重要だと思う。
とりあえず、食いしばらないように「注意」しよう。
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