『7つの習慣』
スティーブン・R・コヴィー
20世紀で最も影響力のあるビジネス書とされる『7つの習慣 成功には原則があった!』の著者。リーダーシップの権威として国際的な評価を得ており、フランクリン・コヴィー社の共同創設者・副会長、教師、作家、組織のコンサルタントとして現在でも世界中で活躍している。
1.パラダイムとは?
パラダイムは、時代や文化によって形成される「物事の見方や捉え方」を指します。ある時代には特定の価値観や思想が主流となり、それがその時代のパラダイムとして定着するのです。しかし、パラダイムは常に変化しており、新たな考え方や価値観が浸透することで、社会全体が変容していきます。
このようなパラダイムの変化を理解するためには、「インサイドアウト」という視点が重要です。これは、何か問題や課題が生じた際には、まず自己の内面を見つめ、その原因や根源を探ることが求められることです。外部の状況や他者の影響だけでなく、自己の内面にも原因や課題の根源があることを認識することが、パラダイムを理解する第一歩です。
そして、パラダイムの変化は社会全体に影響を与えます。新しい考え方や価値観が浸透し、従来の枠組みや概念が変化していく過程で、社会全体が変革されていきます。このような社会的なシフトが進む中で、個々人も自己の価値観や信念を時代と調和させていく必要があるのです。自己の内面と社会の変化を理解し、適切に対応することが、パラダイムの移り変わりに柔軟に対応する鍵となります。
2.7つの習慣
第1習慣「主体的である」
起こったことに反応せず、能動的に自分の反応(感情)を選択していくということです。
第2の習慣 「終わりを思い描くことから始める」
目標達成するためにはまず、ゴール設定をすることから始まります。ゴール設定をすることでブレない自分の確立と、集中力を得ることができます。
第3の習慣 「最優先事項を優先する」
ゴール設定をしたら「緊急ではないが重要な事項にフォーカス」します。つまり自分のやりたいことに、投資していくということです。
第4の習慣 「WIN‐WINを考える」
勝ちの持ち逃げをするのではなく、自分と関わっている周りの人と、勝ちを分け合うということです。一人勝ちは短期的な成功でしかありません。
第5の習慣 「まず理解に徹し、そして理解される」
自分の事を理解してもらうためには、まず相手を理解することから始まります。感情移入し相手の立場になって、物事を見るというスタンスを取ります。
第6の習慣 「シナジーを創り出す」
一人では達成困難なことでも、WIN‐WINの関係になった相手と連携し、シナジー効果(相乗効果)によって成果を上げるということです。
第7の習慣 「刃を研ぐ」
人間を構成する肉体、精神、知性、社会情緒の4つを絶えず磨いていくということです。
自分磨きを継続することが大きな武器となります。この第7の習慣は、第1の習慣から第6の習慣までの基盤となるものです。
3.身につけにくい習慣がある
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」は、身につけるのが難しい習慣と呼ばれます。人はしばしば自分の考えや信念を強く持ち、それを相手に押し付けてしまうことがあります。しかし、相手に対して理解を示すことなく、自分の意見を押し付けるだけでは、心の壁を築いてしまい、建設的なコミュニケーションが困難になります。
「相手の立場になる」というのは、一見簡単なようで実践は容易ではありません。なぜなら、私たちは自分の経験や価値観に基づいて世界を見ており、他者の立場を理解することは常に挑戦的な作業だからです。しかし、この習慣を身につけることで、相手の視点や感情を尊重し、対話や協力の機会を拡大することができるでしょう。
相手の立場に立つことは、単に言葉だけでなく、心の奥底からの共感と理解を意味するものです。相手の感情や意見に対して開かれた心を持ち、真摯に向き合うことで、より深いコミュニケーションと共感を生み出すことができます。このような姿勢を常に心がけることで、相互理解と協力の土台が築かれ、より豊かな人間関係や成果を生み出すことができるのです。
まとめ
ビジネス書界隈では、世界的な名著と称される一冊であり、自己啓発に関連する書籍としては、日本でも最も有名な本です。全世界で販売部数3,000万部を記録、ロングセラーが物語るように、本書は人間行動の原理原則をまとめているので、ビジネスだけでなく人生全般に役立つ教えがあります。