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コーヒーのチャンピオンシップ勝者とは、「グッドスタート」。

食の世界におけるチャンピオンシップとは、「新人の登竜門」。なんのバックグラウンドもない若いチャレンジャーが、その到達点を争い、世間のお墨付きを得るはじめての競争環境、という位置づけです。特にヨーロッパではその傾向が強いですね。フレンチやイタリアンはもちろんのこと、ワインやパン、コーヒーにもチャンピオンシップがあり、スペシャルティコーヒーにおいてはローストの腕を競う「ローストマスターズ」ドリップの腕を競う「ブリューワーズカップ」「ハンドドリップチャンピオンシップ」、ラテアートの腕を競う「ラテアートチャンピオンシップ」などがあります。世界のコーヒーニスタたちは、この勝利をきっかけにスポンサーがついて自分のブランドを始めたり、お店を開設したりし、世の中に出ていきます。
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チャンピオンシップウイナーは、その時点での到達度でしかなく、さらにレベルアップをするのに一番可能性があるかも、という指針にすぎません。その座にあぐらをかいているといつのまにか、one of themに埋もれてしまいます。
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コーヒーフェスティバルなどにも、「なんたらチャンピオン」と喧伝して参加しているロースターやドリッパーがいました。が、その人たちの淹れるコーヒーや豆を見てゆるコーヒー会のメンバーは顔を曇らせました。

チャンピオンは大抵、数人の審査員に対して『その瞬間の一杯』に賭けるので、入念な準備と一瞬の集中力を発揮すれば事足ります。ゆえに、素人でも勝つチャンスがあります。ところがお店を持って日々コーヒーをお客様に届けるとなると、、1年365日、一定のレベルを保ち、満足してもらう体力と集中力が重要になります。毎日100点の成果などはありえず、70点以上をいかに維持し、100点の日を1日でも多くするにはどうしたらいいのか、という戦いが待っています。
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コーヒーフェスティバルという環境は、これが凝縮している環境です。
試飲の列は絶えず、客の数はふだんの数十倍。単位時間当たりの勝負数は、跳ね上がります。かつ、ほとんどが初見でどんな人かわかりません。
スーパー初心者からスーパープロフェッショナルまで、列にまぎれているのです。

顔を曇らせる内容は、何か事情があったのかも?それともこちらの勘違い?


一期一会。コーヒーフェスティバルにおけるロースターの対応は、かなり素の状態で出てくるな、と私は感じています。

こういう場を経験したチャンピオンズはどんな成長をするのでしょう。
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