ゆるコーヒー会で使う銘柄選び
ゆるコーヒー会で使う銘柄は、なんでもいいというわけではなく、だいたい以下の3つのテーマを克服することを目標としています。
1.焦げてなく、生焼けでないロースターのもの
2.初心者がどんな淹れ方で淹れてもある程度の香味が発揮される多様性を持つもの
3.#2の要素を持ちつつ、外れるときははっきりと外れるもの
だいたい1で、ごっそりとロースターがいなくなります。以前はカッピング会でユーザーたちが厳選のうえ持ち寄った国内外のロースターの銘柄の調査を通じて、全会一致で「このロースターはいいぞ」となったところの銘柄チョイスを中心に選んでいますが、最近は世界担当から寄せられる欧州のロースターものの採用が多いかもしれません。欧州の銘柄も、浅煎りばかりでなく、中煎りなどもかなりおもしろいものがありますよ。
2と3のバランスはむずかしい。3に注目してしまうと、ナチュラル精製ものなどがドンピシャだが、初心者が淹れるとかなりきつい味になりがちで、おいしい、という感想が出にくくなります。
2は、高得点の豆を使えばいいですが、それだとトンデモな淹れ方をしても「おいしい」になってしまい、ドリップをなめてしまう。カッピングの得点だけを見れば、96点でも落選するし、81点でも採用になります。
挽き目の違いでどうなるかをチェック。
みるっこ 挽き目6、4
ナイスカットミル 挽き目3、2、6
と、ドリップテスト。抽出倍率。10倍基準に12で変化を見る。17倍とかでないとおいしく感じない場合は、落選になりがち。だいたい参加者は8倍から12倍で抽出している傾向があり、このポイントに行く前に「このコーヒーおいしくない」と判定されてしまうから。
それぞれの挽き目でどんな味が出たか、カッピング要素で香味をチェック。その中に濁る感じやぴりっと感や、ブライトネス感が出ないと「落選」になる。
バランスがいいというわけでもなく、点数が高ければいいというわけでもない。実際スマトラ(86.5点)が落選してる。ものすごく購入価格が高かったハワイコナ(81点)も泣く泣く落選にした。
81点前後で突出した香味を確認できると、あえて使うこともあります。この香味をさまざまな淹れ方でいれたらどうなるのか、という興味から。残念なドリップはもちろん、とんでもなく残念なコーヒーに仕上がります。これはルール#3に該当します。
「これを使おう」と銘柄選定になっても、「すでに売り切れ」というマイクロロットでした、みたいなこと多数。海外ロースターだった場合、注文してから届くまでに15日みておかないと、という問題もある(たまに届かないこともある)。ゆえに、決め打ちで多めに買うが、それが落選になったら、毎日それを消費しなければいけない残念な日々も。銘柄選定で毎回1万円近くが消えているかもしれない。
結果として、コーヒー会ではかなりレア、かなり高レベルな豆で参加者たちは楽しんでいると思います。ロースターや有名カフェオーナーたちが多数参加していたころから銘柄選びはかなりタフでしたが、その積み重ねが今の初心者向けイベントで発揮できていると思っています。