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『私のまんまで生きてきた。』ありのままの自分で気持ちよく生きるための100の言葉 ー 平野レミ

 深夜の時間帯に放送していたマシューの番組が好きでよく見ていました。その料理コーナーに出演していたのが平野レミさんでした。そのころ名前はなんとなく覚えていました。
 故郷の家で祖父母が見ていたのがNHKで、歌番組の事前案内テロップの中に出場者の一人として流れていたのだと思います。名前がカタカナで、名字の漢字も小さい子供でも読めたからだと思います。歌っているところを見たのではないのですが……
 その人が大声でしゃべりながら、手際よく料理を作っていく姿が画像に出てくると、「アレっ。この人、歌手じゃなかったっけ」
 深夜番組のこのコーナーも毎週楽しみに見るようになりました。レミパンもこのころ知ったような……

 その程度の意識しか持っていなかったので、夫が有名なイラストレーターだということも当時は知りませんでした。
 学校の帰りにほとんど毎日のように地元の本屋さんに入り浸っていたので雑誌の存在は知っていましたが、表紙が他の雑誌とは違うなぁと思っていた程度です。

 ですので、その絵を描いていたのが和田誠さんだということを後で知ったのです。
 その「和田さん」に食事を作って、子どもたちに食事を作って、向き合っておしゃべりをして、お弁当も作ってあげる。メディアに出てくる人は忙しくて、家事・子育てはできないのではという先入観はこの家庭にはあてはまらなかったようです。
 

 その平野レミさんの短い文章を集めた本が出たと聞いて、近くの本屋さんに行ってみたのですが、見つかりません。エッセイ集かと思ってコーナーに行っても無いし、女性作家のコーナーにもない。料理本のところに行っても見当たらないし、もしやと思って自己啓発本が並んでいるところも探したのにありませんでした。探し方が悪かったのかもしれませんが、結局、自宅に戻ってウェブから注文して、やっと最近手に入りました。

 100のエッセイというか平野レミさんのつぶやきをまとめて5章に分けた本でした。それぞれの章の冒頭にも何か書かれていましたので、合計105のつぶやきということになるのでしょうか。
 
 いろんな本、雑誌、新聞やウェブサイトから集めて、この本のために書き下ろしたつぶやきもいくつかありました。

 料理について、子どもたちについて、家族について、子どもたちの妻について、そして夫の和田誠さんについて綴られています。

 自分がどんな風に見られているのかには関心がなく、思ったように行動して、うまく行く時にはうまく行って、うまく行かなかったらワインでも飲んで寝ちゃえっていう感じです。

 本文のところどころに差し込まれているイラストも文章にあっていて心にすうーっと入ってきます。それに、ご自身が持っていた写真にも平野レミさんの これまで が映っていて面白いのです。次男の率さんが立てるようになった写真なんか、和田さんが小さくなって立っているようでびっくりしてしまいました。

 外出しようとした和田さんが、わざわざ袋文字で声が大きいと紙に書いて戻ってきたと本の最初のほうに書いてありました。本の後ろのほうにはその紙の写真も撮ってありました。これって残っていたらお宝ものじゃない……

 書店でつけてもらったブックカバーを外して表紙のイラストを見ると、一目でレミさんだとわかります。それなのに、私は本屋さんでは見つけることができませんでした。
 私の家族もこの本を読みたいと言っているので、この後、貸すつもりでいます。でもちゃんと返してもらうつもりです。

(2024年11月21日)

※写真は2021年10月に「和田誠展」が開かれた東京オペラシティアートギャラリーの入り口近くです。ここに展示されている作品を描いていた近くにレミさんがいたのですね

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