調香師インタビュー:Alexandra Carlin/ Ginger [NEZ 2021年8月21日]
NEZ Magazine Webの記事を翻訳しています。
From Plant to Essence – A World Tour of Fragrant Raw Material
(Français-English, Nez éditions, 2021)
にも掲載されている、天然香料についての調香師の方へのインタビューです。
今回の調香師はAlexandra Carlin、テーマはGinger(ジンジャー) です。
*****
Alexandra Carlin: 「このジンジャーは擦りおろしたての根の香りがします」
By Béatrice Boisserie
2021年8月22日
Alexandra Carlinはシムライズの調香師です。 マダガスカルのジンジャーがどのようにして彼女のお気に入りのフレグランス成分の1つになったのか、話してくれました。
マダガスカルのジンジャーについて最初に知ったのはいつですか?
2014年に初めてマダガスカルへ行ったときです。 滞在の最終日で、すでに多くの香料を試していたので後は帰るだけというときでした。Alain [Bourdon、シムライズマダガスカルのカントリーディレクター]が、Antananarivo(アンタナナリボ、マダガスカルの首都)で働いているNGOが生産しているジンジャーエッセンスを私たちにくれました。それが素晴らしいものであることが瞬時にわかりました。 香りが突然鼻の中に現れ、料理評論家が母親の料理を思い出すラタトゥイユのようでした! 私にはインドで飲んでいた「ホットジンジャーレモンハニー」がすぐに思い浮かびました。
初めて香りを嗅いですぐに好きになったのですか。
そうです! ピリッと辛味のあるこのジンジャーは、すりおろしたての根の香りがして、レモンとバーベナのニュアンスがあります。 フランスに戻って、私はジンジャーを全てに使いたくなりました。 2017年に、J.U.Sが新しいアコードが欲しいと私たちに連絡してきた際、私は「pseudo-cologne(スードウコロン、擬似コロン)」のフォーミュラを提案し、最終的にはGingerliseになりました。
この「青いジンジャー」の色はどのようにインスピレーションを与えましたか。
(解説:Gingerliseの香りの説明に"Blue Ginger"と記載あり。詳細はこちらを参照)
Gingerliseでは、ジンジャーがレモンの役割を果たし、ベルガモットとマンダリンの香りを押し上げます。 青緑色を連想させる香料、たとえば、アンジェリカ、ミント、カブレウーバの木などで包むことにしました。
ジンジャーは新たなレモンといえるでしょうか。
この品種に関して言えば、そうです! シトラスのようにレモンのニュアンスがあり、明るい印象で、コショウのようにスパイシーです。 トップノートは常に新鮮で、他のシトラスノートを広げ、DavidoffのRun Wild Menのように、チリ、パプリカ、マダガスカルシナモンなどの温かいスパイスと対照的です。
More about Symrise: www.symrise.com
—
原文はこちら
https://mag.bynez.com/en/perfume/alexandra-carlin-this-ginger-smells-of-freshly-grated-root/
(画像:NEZ Magazine Web)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?