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「もっと近くに」ー ユアマイスターがこの半年で目指す、プロダクトづくり


今回のインタビューでは、VPoPの久保さんに現在推進している開発戦略についてインタビューしました。
ユアマイスターがつくりたいプロダクトの未来に向けて、直近で取り組んできたこと、そしてこれからの開発についてご紹介します。

これまでにはないマッチングプラットフォームのあり方を作る

ー 2022年10月(今年度下期)までに、プロダクト開発でどのような価値を提供することを目指しているか教えてください。

今、私たちはパートナー向け「ユアマイスターパートナー」、ユーザー向け「ユアマイスター」、そしてプラットフォームの3つにおける開発に取り組んでいます。

パートナーとは、「ユアマイスター」にご出店いただいているサービス事業者さんのことです。

パートナー向け開発においては、パートナーが「毎日見たくなる」プロダクトを作ることを目指しています。「ユアマイスターパートナー」を自然と毎日眺めたり、見たくなる状態にしたいと考えています。今までは案件を取ることがプロダクトの中心でしたが、ユアマイスターパートナーが仕事の起点となるように変えていきたいと考えています。その為には、一度施工をしたユーザーさんからの再注文がされやすくなるようなプロダクトの構造を作ったり、業務効率化ツールとしての提供レベルを上げていくことだと思っています。

ユーザーに対しても、まだまだ「ユアマイスター」を一度使って利用が途絶えるユーザーもいらっしゃるので、ユアマイスターとの接点をより多く構築したいです。具体的には、LINEアカウントや楽天IDを利用したログインのしやすさはもちろん、リピーターとして戻ってきたときにメリットが享受できる状況を作っていきます。

またそれに加えて、私たちが提供したいのは「品質のレベルで突き抜けたサービス」です。現在、ユアマイスターを通じて注文いただいたお客様が、サービスに満足いただけなかった場合、「全額返金」を実施しています。これは他社と比較して、高い品質であることを確信しているからこそ出来る対応です。今後は、ユーザーに「ユアマイスターで頼めば間違いない」と感じていただく認知構築も重要なテーマだと考えています。

どれだけ近いか=価値をどれだけ感じたか。その価値を生み出すために動き出した開発メンバー

ー 2月の全社会議で掲げていた今後のプロダクト開発戦略のテーマについて教えてください。

これは全社会議で見せた資料です。先程話した「パートナーが毎日見たくなる」につながる状態を作ろうと考え、このコンセプトにしました。

ー「もっと近くに」をテーマに掲げた背景にはどういったことがあったのでしょうか?

これには、対パートナーへのメッセージと対組織へのメッセージ、2つの意味が込められています。

対パートナーへのメッセージとしては、日常的に使用可能な利便性の高い機能を創ることとプロダクトとパートナーの心理的な距離が近くなる体験を作っていくことです。

当然ですが、ログイン頻度が高いパートナーはユアマイスターを身近に感じて、利用を継続してくれます。実際、数値として「ログイン率」と「継続率」は近い動きをしています。この動きだけ見ると、どれだけ近くに感じてくれるか、どれだけ高い頻度で利用してもらえるかが大事だとわかりました。そういった意味で、「機能的な価値での近さ」と、「心理的な距離の近さ」を伝えたくて、このコンセプトワードにしました。

対組織へのメッセージとしては、PdMやエンジニアが今以上に現場から課題を感じて自発的に提案していく動きを加速させることです。

これまでの開発はプロダクトロードマップ主導で進めていました。プロダクトロードマップは僕やVPoEの星が中心となって作っているのですが、こちらは事業計画なども踏まえ、ここ2-3年の間にどんな価値を提供したいかを中心に考えたものになっています。そのロードマップに載っているフィーチャー1つ1つは間違いなくパートナーに価値提供できるものだと確信しています。

しかし、一方でその提供の順番や優先順位は、目の前の顧客の状況に応じて変わってよいものだと考えています。だからこそ、「より現場で考え、動いてよいのだ」ということを伝えたくて、戦略コンセプトに落とし込んでいきました。

ー それはPdM、エンジニア共に浸透してきましたか?

少しずつですが、動きも変わったと思います。エンジニアは1つのチームで構成されていたところから複数ユニット制に変更となり、「こうしたい」と言った意思を発せられる場がよりできたこともあって、自律的に動けるようになってきました。

たとえば、スプリントプランニングの時に「この開発は受け入れられない」と言った反応が返ってきて、そこから激論が交わされるなど、今までにない変化が生まれています。

中堅・中小企業のパートナーは商売拡大、ユーザーはまた来たいと思う場所にする

ー 2月から3ヶ月経て、抱えている課題を教えてください。

2つ課題があり、1つは開発の生産力の不足です。
ロードマップが決まった通りに動かず、スループットが十分ではありませんでした。そもそもエンジニアの人数も足りず、描いたロードマップを遂行できる組織体制にはなっていなかったので、完了できたのは全体の6割でした。開発スケジュールの後ろ倒しが起こることも見越してはいましたが、これをもっとやり切れるようになりたいと思っています。

もう1つは、現場目線での改善提案力の向上です。
今、メンバー間で「現場」を主語にした開発に対する議論が増えてきていますが、今後、PdMやエンジニア発信でこれまでのロードマップを覆すようなフィーチャや改善、入れ替えの提案をもっともっと出していけるようになり、最終的に各スクラム毎に価値を考えて、それぞれのフィーチャ開発を完全自走してリリースできる理想の状態を目指しています。

ー その課題を踏まえて10月までのあと半年、どういったことを目指して開発に取り組んでいきますか。

目標はシンプルで、プロダクト価値の向上です。

2Qではパートナーに対して、CRMを目玉としてリリースしました。このCRMで提供する価値機能を進化させたいと思っています。例えば、ユーザー情報の管理やパートナーがキャンペーンを作成できる機能です。他にもまだ調整中ではありますが、スタッフごとの品質の可視化、教育履歴を残せる機能など、パートナー自身で業務管理し、リピートユーザーを生み出し、品質向上までにも取り組める機能を開発したいです。それには、UXUI改善も必要です。

ユーザーさんにおいては、ユアマイスターを利用したことがない人もまだまだ多い状況なので、新規のお客さんが気軽に使える状態を追求したく、キャンペーン連動や決済手段の多様化を進めています。あとは、マイページや会員プログラムを構築して「もう一回使ってみよう」という気持ちを促進する会員ロイヤルティ向上の仕掛けも行っていきます。

そのために、力を入れているのはユーザーサイトのリニューアルです。目的は、リピートを中心にした設計に変えることです。

そもそも基本的なECサイトはダイレクトレスポンスでの注文獲得に主眼をおいた作りで、今入ってきたニーズに対していかに最短で受注ができるかを考えたサイト構成です。しかし、リピート注文を中心になるよう考慮して考えた時に、新規注文とリピート注文、どちらも創出されやすいサイトコンセプト、構成、ワイヤーに変えていこうと思っています。

また、最近はCMによる認知も上がっているので、サイトへ来訪した方に対するトップページの導線のあり方を変えようと考えています。これまでトップページはただの顔でしたが、これからはユーザーにとってのダッシュボード的な機能を乗せていきたいです。イメージはAmazonのユーザーログイン画面に購入履歴やレコメンドがあるような形で、ユーザーが求めるものに即したビジュアルサイトになるように作ろうとしています。

「ユアマイスター」をあえて選んできてくれる人を増やしたい

これまでは「ユアマイスター」に来てくださるユーザーさんは、エアコンを掃除したい人が来て依頼するものの「ユアマイスターで予約した」という意識が必ずしもない状況でした。しかし、今は「ユアマイスターってなんだろう」と思った人が来る場所になりつつあります。そこで、さらに「ユアマイスターのサービスがいいな」と感じて、また来てくれる方をどれだけ増やせるかが大事だと考えています。

そのリピートのためにCRMやお得情報がありますが、その繋がりを大事にしたいと考えています。その繋がりは一通のメールかもしれませんし、たまに届くキャンペーン情報かもしれない、CMを見て使った経験を想起する、といった意味のある接点を作っていくことを考えています。

ただ大事なことは、プロダクトはもちろんですが、マーケティングがやっているキャンペーンや営業がやっていることにも一つずつ意味があって、会社全体で同じ方向を目指して、できることを積み重ねていくことでユーザーさんとは距離が近くなると思っています。

Profileーー

久保 拓也
新卒入社したクリエイティブ・エージェンシーで新規営業、ディレクター 、プランナー 、新規事業立ち上げ等に従事。
株式会社リクルートキャリア(現リクルート)へキャリアを移した後はトップセールスの一人として複数の社内賞を受賞。セールスマネジャー 、九州拠点長を務める。
その後ユアマイスターに入社し社長室兼VPoPとして経営戦略策定、資金調達、新規事業開発、プロダクトマネジメントを担う。現在は新規事業のリーダーとしてチームを牽引。


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