ヤングケアラーだった私《2》
脳卒中になった父
確か2、3日ほど経って、叔父と叔母が妹を連れて帰ってきた。
車で4時間ほどの旅行先で倒れた父は緊急手術となり、とても帰ってこられる状態でなかった。
祖母は父に付き添い、しばらく入院する父の側にいることになり、そうなると私と妹達3人の生活になった。
まさか夏休みの始まりにこんな事になるなんて…
妹の帰宅
叔母に連れられて帰宅した妹は私と話すと泣き出した。
旅行先のレジャー施設で並んでいるときに急に頭を痛がって倒れたと。
周りの人が救急車を呼んでくれたと。
手術の間とても不安だったと。
まだ小学生の妹にはとてもショッキングな出来事だったろう。
私の決意
泣きながら話す妹を見て、
「私がしっかりしなくては。」
そんなことを強く決意した。
そして、叔母からまとまったお金を預かり、しばらくの間子供3人で暮らすことになったのだ。
自分たちがやるしかないのだ
もちろん叔母や親戚は心配して、ちょくちょく手助けに来てくれたが、ずっと一緒に居られるわけではない。
子供ながらにそれも理解して、多くを求めることはできなかった。
それでも日常は進んでいく。
私も夏休み中の部活をやりながら、妹達との家事の分担が始まったのだ。
これが高校一年生の夏休み。景色が一気に変わった出来事だった。