第一話 MKY(マジで恋するヤングおじさん)
はじめに
この物語は事実に基づく、
人間模様を綴ったものです。
ヤングおじさんとは?
この本編に登場するヤングおじさん
(通称:ヤンおじ)とは、
気持ちはまだまだ若いと思いつつも、
年齢を重ねていく事を実感している男性達を表現しています。
それでは、
勘太郎
裕次郎
万三郎
″ヤンおじ″3名が織りなす様々なストーリーをご覧下さい。
第一話
『某マッチングアプリ』
〜結果 Waiting〜
3人は都内某所にある焼肉屋にて会食をしていた。
約束の時間よりも早めに、裕次郎と万三郎は合流し、勘太郎が待つお店へと向かっていた。
すると、道中にて万三郎が、
「最近ショッキングな出来事があった」
と裕次郎へ話を切り出した。
裕次郎が「どうした?」
と聞くと、勘太郎と合流した際に改めて話すと言うので、裕次郎は、密かに恋愛系の話だと悟った。
お店に到着すると、一足先に着席していた、勘太郎は電話を片手に何やら忙しそうである。
「おつかれー」と2人。
勘太郎は、コクリと頷く。
勘太郎の通話終わりを待ち、注文を済ませた。
実は、勘太郎は焼肉の際、豚肉しか食べれないとの事実が発覚した事が、この日1番のサプライズだったかもしれない。
3人で話を進めていく中、
万三郎のショッキングな出来事について会話する空気が出来ていた。
すると万三郎が、「最近ショッキングな出来事があった」と徐に、話はじめた。
万三郎は友人に某マッチングアプリを勧められ、最近、登録したそう。そこでマッチングした女性とのストーリーである。
女性は外国籍の女性で、日本で教員として働いているとの事。
万三郎は元々、外国語への抵抗がなく、海外で大学を卒業している為、コミュニケーションは問題なし。
女性の容姿がタイプかつ、日々の生活スタイルも似ていた為、かなりお気に入りだったとの事。
お相手の女性は万三郎に対し、自身との共通点が多く、気を使わずに過ごせる相手。
と話していたそう。
数回のランチデートを重ね、
万三郎は誠実さをアピール。
次の誕生日(12月)を一緒にお祝いしようという、だいぶ先の未来の口約をした万三郎は、久々に彼女が出来る予感がしていたとの事。
そんな中、万三郎は意中の女性と海デートを取りつける。
海でリラックスしながら、より踏込むという作戦だ。
ところが、海デートの前週に意中の女性から告げられた。
女性『ごめんなさい。私達はもう会えない』
万三郎『?』
『急にどうして?』
女性『元カレと戻る事になって…。』
万三郎によると、海デートの前のデートでも、忙しいを理由にキャンセルされた事があったそう。
それを聞いた、勘太郎と裕次郎はこう言う。
裕次郎『天秤にかけられてたって事か。元カレとの経緯がわからないから、難しいけど、タイミングを逃したね。』
万三郎『うん…。なんだよ。それ。って感じだけど。』
勘太郎『ランチデートだけ?何もないの?』
万三郎『何もない。』
ここで勘太郎が、
勘太郎『それがよくなかったね!数回ランチデートをしたのにも関わらず、何もないというのは、女性からして消極的だと思われても仕方ない。』
万三郎『2人は回数で変わる訳?』
勘太郎『もちろん。1回目より2回目、2回目より3回目。更新は当たり前。時には危ない男を演じるよ。』
裕次郎『確かに変化が必要かも回数よりも。1回でも2回でも、そこにきっかけとなる変化は必要だよ。』
万三郎も2人が言っている事は、理解しているし、今まではそうしてきた。
やはり″ヤンおじ″世代になったからなのか、
本気の相手にはどうしても慎重になり、構えてしまう。
『踏込むタイミングが難しい』と嘆いている。
年齢や環境と共に落ち着いたといえば聞こえはいい。
ただ、このまま終わる万三郎ではなく、
万三郎はこう切り出した。
万三郎『冷静に考えて、元カレに戻って上手くいくという話をあまり聞いた事がない。だから、そのうちまた、会えるかなと。』
お相手の女性も友達としての関係なら問題ないと、話をしているとの事。
外国籍という事もあるからか、
友達としての意味合いは少々違った意味を持つのかもしれない。
これに対して勘太郎と裕次郎も、
確かにそうかも。
今すぐ会えなくとも、待っていたら状況変わりそうだな。今回は。
と、万三郎の気持ちの切り替えに同調している。
万三郎『だから、少し待ってみる事にするよ。何かあったら連絡くれると思うし。』
こうして、
万三郎の某マッチングアプリで出会った女性とのストーリーは、Waiting するという結論になった所で、店を後にした。
店を後にした3人の″ヤンおじ″は2軒目へ歩み始めていた。