「ロボコップ」と「スターシップ・トゥルーパーズ」
この4人がSFを撮れば名作になる。監督:ポール・バーホーベン。脚本:エドワード・ニューマイヤー。音楽:ベイジル・ポールドゥリス。特巣撮影:フィル・ティペット。黄金のカルテットだ。
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■「ロボ・コップ」(1987年版)
大好きなバーホーベン監督の作品の中でも、一番気に入ってる作品。
スカッとするバイオレンス描写や、キレッキレのブラックユーモアも良いのですが、ロボコップの泥臭いヒーローっぷりは何度見ても燃えます。生前のころの記憶がよみがえってきて困惑するわ、規則に縛られて思うように動けないわと、苦悩するロボコップが、ボロボロになりながらも悪を倒し、アイデンティティも確立する姿はグッときます。かといって、ロボコップに過剰に入れ込まず、突き放した描き方をしているので、湿っぽさがなく爽やかな後味なのもステキです。
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■「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997年)
『宇宙の戦士』の映画化…なのですが、『ロボコップ』のスタッフが手掛けたこともあってかもはや別物に。
大筋はほぼ同じですが、ブラックジョーク入れまくり風刺入れまくりなのでかなり印象が違います。おまけにパワードスーツが出てこないので、生身の兵隊がバグの大軍に突っ込んでいくというジョークのような作品に仕上がっています。
なので原作好きの方だとかなり好き嫌いが分かれそうです。
ただ原作云々を抜きにするとこれがとても面白い。高揚感あふれる戦闘シーンは見ごたえたっぷりですし、オーソドックスなミリタリーものとして手堅く作ってあります。キレのいいブラックジョークや風刺も、くどくない程度に挿入されるのでむしろ良いアクセントになっています。『ロボコップ』や『ブラックブック』もそうですが、バーホーベンはエンタメ性と辛辣なユーモアとのバランス感覚が本当に絶妙で、いつみてもうまいな~と思ってしまいます。この手の作品ってユーモアが前面に出すぎてくどくなりすぎることが多々あるのですが、この人の作品だとあまりそういうことがないのです。
バーホーベンの最良の作品の一つだと思います。
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この2作は、両方とも、シャワーシーンがあるのですが、バーホーベン監督はシャワーは必ず「男女混浴」にします。若い役者(女優も男優も)は、恥ずかしがってなかなか脱がない。するとバーホーベン監督が「ほれほれ、こうやって脱ぐんだよ!」と自分が脱ぎ始める。みんな呆れて脱ぎ始める、という噂がありますが、さて。
ここで一句。「脱がぬなら 私が脱ごう バーホーベン」
おそまつ。