小島秀夫氏の親友で怪獣オタクのギレルモ・デル・トロ監督「パンズ・ラビリンス」を鑑賞。
ギレルモ・デル・トロも怪獣オタク、SFオタクなんですが、日本の樋口真嗣監督との大きな違いは、この映画のような「繊細さ」を持っているかどうかなんじゃなかろうか、と思うのですが。
「パンズ・ラビリンス」は、ファンタジーというよりも、スペイン内戦後の軍隊とレジスタンスの戦いのなかで生きるひとりの少女の「夢」「妄想」ではないのかな、と思いました。
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「パン」というのは「牧神」のことなんですが、この映画に登場するパンは、日本の「鬼」みたいですね。キャメロンの「アバター」にしろ、西洋の人って「目が離れた顔」が好きなんでしょうか。私は目が離れた顔はどうも苦手です。
あと、第一の試練に登場する「手に目がある人」。あれ、怖いですねえ。プレイステーションやXboxの洋ゲーをすると、ああいう「生理的に受け付けない」化け物がよく登場します。目玉をコロコロと床に落として無くしたらどうする気なんでしょうねえ。「いないいないバーおばけ」とでも名付けましょうか。
調べてみると、日本の妖怪で「手目坊主」という奴がいる。もしかしたら、デル・トロ監督は、水木しげるの「妖怪図鑑」を見て、「おお、これは面白い。パクろう」とインスパイアされたのかもしれない。
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でもまあ、顔や姿が怖い人よりも、この映画のなかで一番怖いのは、ヒロインの新しいお父さんになるスペイン軍の大佐閣下です。「おれは大佐閣下だぞ!偉いんだぞ!逆らうやつは皆殺しだ!」とレジスタントたちや自分に逆らうヒロイン(まだ小学生ぐらいの少女よ!)さえ、殺してしまうのですから。一番怖いのは一見普通に見える「人間」だと思います。こういう「反戦」「軍人嫌い」が、デル・トロ監督のシナリオから滲み出てきます。第二次世界大戦で地続きでナチスやイタリア軍のファシストたちがせめてきたヨーロッパの血が流れていないと書けないシナリオ。太平洋戦争では島組ゆえに、一方的にアメリカに爆弾を落とされまくった日本の血が流れる樋口真嗣や小島秀夫、庵野秀明にはこういうシナリオは書けないんだろうなあ・・・。
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