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【思い出】むか〜し、広告制作会社で働いていた時、先輩がクライアントに対し電話で、「良寛ですがな!良寛!知りませんか。ぼんさんの良寛でんがな!」

「前田さん、なにを良寛、良寛てお坊さんの名前を叫んではるんやろ?」

実は、先輩の前田さんは、クライアントに「文字の書体」の説明をしていたのでした。

書体というのは「ゴシック体」とか「明朝体」とか、文字の種類のことです。

和風の雰囲気を出す時につかう書体です。
私は「ウルトラセブン」のファンなので、明朝体が好きです。庵野秀明は極太明朝が好きです。


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広告業界や印刷業界で働く人にしかわからない言葉や、「業界人あるある」というのがあります。

たとえば、毎晩徹夜の若い女の子のデザイナーが、たま〜に夜デートに行くときに、夕方6時ぐらいに急に慌てだして、いそいで、デートの待ち合わせ場所に行って、彼氏を手をつなごうとすると、

「あっ!」

手に「DICの色チップ」が貼り付いたまま、ということもよくある話です。

これが「DIC(大日本印刷)」がつくった色チップ。これを切符のように一枚ちぎって版下のコピーに貼り付けます。でも、もったいないので、半分に切って使うと残りの半分が指についたままになります。けっこう恥ずかしいです。カバンにもよく貼り付きます。

当時は、まだ、マッキントッシュによるDTPが発達していませんでしたから、版下をコピーしたものにデザイナーは「色指定」します。
普通は、黒・黄・青(シアン)・赤の4色(だったと思う)の「パーセント」を書きこんでいきます。

「アカ100%、キ100%」とか。これは「キンアカ」といって、きれいな「真っ赤」な色に印刷されます。スーパーのチラシによく使います。
「激安!」とか、このキンアカの中に「白抜き文字」でいれると効果的です

これがキンアカですが、ネットで見るとちょっと違う。紙に印刷するともっと鮮やかです。


「なんか、珍しい色を使ってくれへんか」というクライアントの依頼には、「特色」を使います。

赤黄黒青の4色のかけ合わせでは出ない「渋い色」を出したいときには、「すでに配合された特別な色」=「特色」を使います。価格は普通のインクより高くなります。が印刷物のクオリティはアップします。

◉「中国の伝統色」

中国四千年の歴史を感じます。

◉「日本の伝統色」

京都関係のパンフレットなんかによく使います。


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「色チップ」(特色)には、「DIC」ともうひとつ「パントーン製」のものがあります。

PANTONE(パントーン)は、アメリカのPANTONE社が開発した世界共通の色見本帳です。

ちなみに、日本のマンガ家で初めて色指定に「パントーン」を使ったのは、「江口寿史」さんです。
それまでのマンガ家は「DIC」オンリーでした。

「パントーン」のほうが「オシャレな色」が出せるのですが、インク代が高いのです。

DICよりハイカラです。(古い)


江口寿史さんのイラストの鮮やかさの秘密は「パントーン」にもあると思います。


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ということで、今回は
「広告業界」「印刷業界」「出版業界」以外の人に
まったく虚無なネタでした。
どうも、すいません m(_ _)m


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ゆうもあ倶楽部
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