思いがけない訪問者
「バッタ!」
出かけようとした君が
大きな声を出した
何?という僕に
「いる」と答える
虫が苦手で硬直している君からは
それ以上の情報はなかった
はっ!っと思って見に行くと
玄関の内側の白い壁で
鮮やかな黄緑のバッタがじっとしていた
前に庭で見かけたバッタより
ふた回りほど大きい
君は何処から入ったのかと不思議がり
僕はあのバッタに違いないと確信した
透明のプラカップで上手く捕えて
庭の草が繁ったところに逃して
捕まえ方を自慢すると
誰でも思いつくよねと
すっかりゆるんで
いつもの君に戻っていた