真空ビーム
目が合った途端
真空ビームを受けて
見知らぬ世界に吸い込まれる
君の世界なのに
何処にも見当たらない
色とりどりの草原が陽を浴びて揺れる
小高い丘を越えれば
なだらかな坂
窪みの日陰にそっと腰を下ろしたら
背中の影にずっと追いかけられて
繁みの向こうは
熱く焼けた砂浜
裸足で転げて夕陽の海を目指す
波打ち際で蟹が遊ぶ
薄桃色の貝殻こすれば
甘い香りが鼻をくすぐる
砂糖はいらないミルクを少し
鳴り響いてる
僕をずっと呼ぶ声
姿は何処にもあそこにも見当らない
醒めない夢が
境目を消していく
もうこのままずっとずっとずっと