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決断①

有給休暇。なんて甘美な響きなんだろう。僕にとってはエクレア以上に響く。何をしようかと考えて前の日からワクワクで背中がムズムズしていた。

だけど仕事中にズルっと滑って股関節が伸びた。全然問題なかったけど、なんでも虫の知らせと結びつける僕は、これは遠出はせずに、大人しくしたほうがいいのだと受け取った。

当日の日中はだらりと過ごした。それで4時からジョギングをしようと思っていたら、雨が降ってきた。雨の知らせってあるのか?いや、ないと思う。
(結局、雨が止んでジョギングはしました)

バイト先で衛生検査があって、髭は禁止だという。ここで働き始めて二年の間、一度もマスクを外すことなく過ごし、僕が髭を生やしていると誰も気づかなかった。

じゃあ剃れば?という話だけど、僕は退職を選んだ。衛生検査の知らせってあると思う。

久し振りに会った友達は髭を生やしていた。前は生やしてなかったのに。(僕は30年以上生やしている)

その友達の髭はかなり伸びていて、くるりと曲がった毛先があっちこちをむいていて、間近で見ると見苦しかった。僕の中で何かが弾け飛んだ。

僕の髭は5ミリ程に切り揃えているけど、そんなに見苦しいとは思わないけど、それでも何かが弾け飛んた。


何かが僕に言っている
ああしろなのか
こうしろなのか
姿形を変えながら
僕に決断を迫ってくる

全く気が付かないことも
あるはずなのに

気付いてしまったのなら
尊重したいと思う

自分の中の本心を知ってる誰かが
選んでいる行為かもと思えば
決断が楽になって極楽だ


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