屋上で空を#59
ふと目が覚めて時計を見る
午前四時三十三分
朝焼けに間に合う
そう思った瞬間
躊躇なく布団を蹴飛ばす
屋上に上がると
新聞を配達する人や
散歩する人が見える
穏やかな朝の空気を吸い込むと
昨日の疲れが消えていく
でも何で疲れていたのかは
思い出せない
東の空が薄っすらと赤らんで
どうでもいいことだったと
思うことにする
昨日の何かが残っていたとしても
昨日はもう終わっていて
もう来ることはない
今日は一番新しい今日で
それももう来ることはない
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