夢
こんな日が来るなんて
君は宿題をして
目の前で兄がストレッチをして
すぐそばで僕は扇風機で髪を乾かしていた
シャーペンをくるりと回して君は
「将来何しようかな。夢ってまだないし」
兄と僕は素早く反応し
自らの人生観を話すけど
僕ら二人は同じ事を言ってる
そんな夢はいらないんだ
夢はもっと漠然とした
ぼんやりしたものでなくちゃ
形のあるようなものは目標であって
夢じゃないんだ
そこから男三人で
それぞれ頭の上に雲を浮かべながら
語り合った
君の宿題はちっとも進まなかったけど
僕には夢のような時間だった