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糸口をたどって①
もうあとほんの少しで出番が終わって
何処かに収納されるはずだったのに
誰かが倒してしまった扇風機が
動かなくなっていた
「お父さんの出番」と言われて
張り切って道具箱を開ける
この高揚感はテーブルに運ばれてきた
スイーツを見た時のワクワクに近い
デザートスプーンじゃなく
ドライバーで分解すると
修理不能な場所が割れていて
「これは粗大ゴミに出さないと」
いつになくあっさりと修理を諦めた
「直らないの?」
君はいつも僕に火を付けてくれる
その言葉に過剰反応して
閉じかけた道具箱をまた開いた
さらに分解して色んな角度から見ると
絶妙な甘さのハーモニーじゃなく
修理の糸口が見えた