雨が上がる前に
気が付けば雨だった
「そのカーゴパンツは部屋着にして」
それはこの僕のお気に入りのパンツでは
外出するなという君の命令だった
このいい味だと思うくたびれ具合いは
若者にしか許されないとも言う
くたびれた親父が
くたびれたものを身につけたら
もうおしまいだとも付け加える
君が言うのだから
そうなんだろう
雨が上がったら
虹を探しに出かけて
帰らないでおこうと
小さく思って
やっぱりそんな若さは
もうないと諦めて
それでも何か新しいことを
雨が上がる前に見つけようと
決意した僕だった