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足音⑤

川の縁にある雑草が生い茂り
堤防を越えて背丈ほど伸びている

そこには色んな生き物がいて
人間が想像も出来ない営みがある

みんなが関わり合って
共に生きている

人間だけが人間を排除しようと
策略を練ったり実行したりして
この世界を乱している

僕の左足は不思議な音を出し
背後3mに足音を残し続けている

あのまま気付かなかったら
後ろから肩を叩かれ
道標となる囁きを聞けたかも知れない

今の僕にはまだ
その準備が出来ていないということ

家に帰って
靴裏の剥がれ落ちそうなゴムを
接着剤で貼り直すと
あの足音は消えた


※完結です。

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