10日間費やした、思い出の出産祝い
甥っ子に子どもが生まれた。
私にとって、唯一の存在である。
姉には一人しか子供はおらず、私は子なし。妹は結婚もしていない。
そんなたった一人の甥っ子が、結婚し子供が出来た。
嬉しい限りである。
甥っ子は、わずか2歳くらいから海洋生物が大好きで、図鑑のカタカナが読みたいばかりに3歳には、カタカナをすべて覚えたという子どもだった。
何度も何度も水族館に連れても行った。
サメが大好きでサメの絵ばかりを描いていた。
高校生まで、海洋生物学を学ぶか悩んでいたくらいの熱中ぶり。
そんな大好きな甥っ子の息子だから、甥っ子も一緒に喜べるものをプレゼントしたいと思ったのだ。
はじめは買い物に出かけたけれど、これといってひらめくものがない。
飛び出す絵本も考えたが、もう少し先にならないとわからないだろうし、
日用品をプレゼントするつもりはなかった。
ならば・・・
自分でつくるか。
そう考えた私は、型から自分で描いて一人コツコツと、
夏休みのすべてを使ってつくったのがこちら。
もともとフェルトニードルで、いくつか作品も作っていたので
モビールを思いついた。
ほとんどはフェルトに綿を詰めて縫い、一角だけフェルトニードルで製作した。海岸で拾った貝殻をつけて出来上がるのに10日間を要した。
甥っ子夫婦に渡した日。
まず甥っ子の第一声が「あ!イッカクだ!」と表情を変えた。
奥さんも本当に嬉しそうだった。
普段メールの返信すらない甥っ子から、早々に吊るして喜んでいる息子の動画が送られてきた。
成長して使わなくなっても、このプレゼントはきっと覚えていてくれるだろう。3人の心に残るものになるだろう。そう感じた。
お祝いの品が高級である必要もなく、心に残るものであればそれが
一番なんじゃないかと思った。当然お祝いのお金も包んだが、なによりも
この手作りの品は姉夫婦も甥っ子夫婦も、そして成長していく彼にとっても
印象に残る贈り物になったのではないかと思うと、休みをすべて費やした甲斐があった気がして、自分自身もやりがいと想い出になった作品となった。
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