ビジュアル満載で楽しい「あたらしい平安文化の教科書」が面白い!
毎週のお楽しみ、NHK大河ドラマ「光る君へ」。
第七話「おかしきことこそ」
毎回ストーリー展開がきびきびとしていて、内容が濃ゆいのが素晴らしいのですが、今回はさらに見応えがありました。
登場人物が多くても話の筋が混線せずに、それぞれのキャラクターの個性を踏まえながら、政治的な立場や思惑をセリフで視聴者に把握させることができるのは、脚本家大石静さんの手腕です。
今回の大河ドラマのよさは色々と指折り挙げたいのですが、なんと言っても
「いくら恋しくても、自分と道長さまとは身分違い。叶わぬ恋と思い知らされたのでございます…」
みたいな朗読が入らないのがとてもいい!
さらに言うなら、役者が動き回って芝居をするのを引きの映像で撮影しておいて、感情を伝える時だけ役者の目の芝居をアップにしている。
花山天皇の孤独な目、藤原道長の若いひたむきな目、倫子さまの恋する乙女の目、それぞれにストーリーに効いていたけれど、やはり清少納言の目は
「負けず嫌い」
が丸出しで、期待を裏切りませんでした。
第7回は、
「目は口ほどに物を言う」
そんな場面が多くて、これからどうなるの?と焦らされたところで終話しました笑
まひろちゃんとコマロちゃんが風邪を引かないか気がかりです。
というわけで(急)
大河ドラマをもっと楽しむためにぴったりな本が発売されました!
「あたらしい平安文化の教科書」承香院
です。
これはMust buy。
学校の授業の副読本にぴったりですし、源氏物語をじっくり読みたい人はぜひお手元に置いてほしいです。
私はリンクを見た瞬間ポチりました。
著者の承香院さんは、自分で仕立てた平安時代の装束を着用して、リアルな平安貴族の生活や感性を研究されています。
SNSでの発信をずっと追いかけて、楽しんで拝見していたので
「やっと本になった!」
と感謝&感動なのです。
論じるよりも先に、まず手を動かすことを徹底している、それがどれほど大切で大変なことか。
私が本書を見て、これは凄い!と思ったのは、衣装がちゃんと
「筒袖」
で仕立てられているところです。
平安時代の装束はたもとがないのが本来の形で、帯を背中で結い上げておはしょりを出して着付けるのは明治時代に入ってからの風習ですね。
衣装は
「着る」
というよりは、
「かつぐ・引きずる」
もので、身丈より長い裾をずるずる引いているし、動くと重みで脱げてしまうので、どうしても自然に
「くつろかに脱ぎ垂れて」
の格好になってしまう。
目上の人物の目がなければ、衣装に埋まって寝転んで
「はいぶし」
の格好でいるのが平安時代のキャリアOLですね笑