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Inside of BIJapan

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Webメディア「Business Insider Japan」の記者や編集者のコラム集です。取材裏話から日常の体験などを綴っていきます。
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#言葉

「おつかれさま」の新しい意味

ビジネスメール、特に社内メールの書き出しの定番と言えば?やはり「おつかれさまです」ではないでしょうか。社内メールだけではなく、退勤のときや、早朝を除いて一日の中で最初に顔を合わせたときは、決まって「おつかれさまです」。 あるカトリックの女子校の校長先生は、「ごきげんよう」は万能な言葉なんですよ、と言っていました。その心は、おはようもこんにちはもさようならも、この一語で全部カバーできるということでしたが、ビジネスパーソンにとっての「おつかれさま」は「ごきげんよう」の持つ包容力

ゴリラ研究の山極先生に学ぶ90分

言葉はもともと不完全なもの。僕は言葉が間違った方向に進化してしまったのではと思っているんです——。 先日、元京都大学総長の山極寿一先生のお話を聞く機会がありました。 「生まれる、死ぬ」がテーマのセッションでしたが、話は広がっていきます。冒頭の話もその一部。 いわく、言葉によって伝わるものには限界があり、言葉だけの伝達ではそこからたくさんのものが抜け落ちてしまう。言葉、文字は発せられると“”化石化”し、その解釈もまた受け手が自由に決める。 共助の組織を作る人数の限界は150

矢本悠馬に、私はなりたい(ドラマ「舟を編む」感想)

「長田さんって、こんなにお金のこと好きだったんですね」 先日会社の同僚に、そんなことを言われました。このメルマガコラムをまとめた私のnoteを読んでくれた上での感想です。 「いや、これは仕事、仕事……。あくまで立場上の体裁ですよ」 なんだか“守銭奴”のような言われように、思わずそう取り繕ってしまいました。実際、自分はお金周りのズブの素人ですから。社命でMoney Insiderの担当となっただけ。 ですが、そのあとすぐに思い直すことにしたのです。「これは編集者として、