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エピソード68 コロボックル

68コロポックル

コロポックルは、アイヌの伝承に登場する小人である
アイヌ語で「蕗の下の人」という意味であると解され
る。

アイヌがこの土地に住み始める前から、この土地には
コロボックルという種族が住んでいた。
彼らは背丈が低く、動きがすばやく、漁に巧みであっ
た。又屋根をフキの葉で葺いた竪穴にすんでいた。
彼らはアイヌに友好的で、鹿や魚などの獲物をアイヌ
の人々に贈ったりアイヌの人々と物品の交換をしたり
していたが、姿を見せることを極端に嫌っており、
それらのやりとりは夜に窓などからこっそり差し入れ
るという形態であった。
そんなある日、あるアイヌの若者がコロボックルの姿
を見ようと贈り物を差し入れる時を待ち伏せ、その手
をつかんで屋内に引き入れてみたところ、美しい婦人
のなりをしておりその手の甲には刺青があったという
コロボックルは青年の無礼に激怒し、一族を挙げて北
の海の彼方へと去ってしまった。
以降、アイヌの人々はコロボックルの姿を見ることは
なくなったという。


68コロボックル オリジナルストーリー

ここは明治時代の北海道。
まだ北海道は開拓も始まったばかりだった。
この地の開拓村の子供たちのうちの二人が森に出かけ
て迷子になってしまってした。

ヨウ:
フジやん、お前いつも行き当たりばったりだよな~。
巻き込まれるこっちの身にもなってみろってってんだ
よ。 

フジ:
ヨウちゃんそう言うなよ。
ダメだ今日は村に戻れない。
しょうがない、今日はここをキャンプ地とする。

ヨウ:
あ~も~俺、外じゃ寝れないんだよ。
絶対の村長に訴えてやるからな!
村に帰ったらすぐフジやんの謝罪会見だからな!

ヨウはしばらくごねていたが、暗くなってきたのであ
きらめ、二人は近くの崖のくぼ地を見つけ一晩泊まる
ことにした。

そして夜中、二人はモノ音に目を覚ました。
なんと外に熊がいる!どうやらフジが持ってきていた
食べ物の匂いに引き寄せられて来てしまったのだった

ヨウは熊が入れない岩の隙間からくぼ地の奥の洞窟に
逃げ込んだが、フジはつっかえて入れないでいた。  

フジ:
なんだよ、ヒゲでデブはダメなのかよ~!

ヨウ:
フジやん子供なんだからヒゲなんか生えてないだろ。
いいから手を出して、引っ張るから!

ヨウはフジの手をつかみ洞窟の中に引っ張ろうとした
が通らない、熊はドンドン迫ってくる、
あぁもう熊に捕まってしまう!

その時、すぐ近くでドラを鳴らす音がして、その音に
熊はびっくりして逃げて行った。

そして崖のわきの茂みの中から50㎝ほどの小人が
3人出てきた。

小人:
大丈夫かお前たち。
熊は大きな音が怖いからオイラ達みたいに小さくても
追い払えるのさ。
ところでどうした道に迷ったのか?

ヨウ:
ありがとう、助かったよ。
ところで君たちのは誰だい?
もしかしてアイヌの人たちが言っていたコロボックル
なのかい?

小人:
あぁ、そんな風に呼ばれているらしいね。
オイラ達はこの土地にず~と昔から住んでいる、鳥も
動物も木も川もオイラ達でさえこの土地の自然の一部
だ。
だからお前たち、村に帰ったらみんなにあまりひどく
自然を壊さないでくれと伝えてくれ。
約束を守ってくれるならオイラ達も農作業手伝ってや
るから。

フジ:
じゃじゃじゃじゃさ、約束するからさ、
約束のあかしに何かおくれよ!

小人:
そうだな、じゃあこれをあげよう、これは「マリモ」
といってこの土地にしかないものなんだ、大切にして
くれよ。

こうしてヨウとフジはコロボックルに守られ一夜を過
ごし、次の朝にはコロボックル達に村までの道を教え
てもらって無事村に帰って行った。

そして次の日。

フジ:
あ~不味い。
こりゃ食えたもんじゃねえな。
あ、ヨウちゃんお前も食ってみるか~?

ヨウ:
フジやん、何やってんだよ!
それどう見たって食いもんじゃね~だろ~!

次の日二人宛てに手紙が届いた。

「お前たちのことをフキの下から覗いていたよ、
オイラ達の宝物のマリモを食っちまうなんて信じられ
ない!子供でもこんななんだから大人はもっと残酷な
んだろう。
もう人間は恐ろしくて付き合えない、さようなら」
そう書いてあった。

これ以後この土地ではコロボックルは見かけられなく
なったという。

ヨウ:フジやんもう絶対謝罪会見だからな!

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