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史跡飲み編

近所の公園が史跡になっているので史跡飲みと呼んでいるが、要は公園飲みである。また、お気に入りの岩があるので岩飲みと言ったりもする。

俺は座れたりテーブルに出来たりするような岩が好きだ。そういう岩がある場所は必ずお気に入りの飲酒スポットになる。身の丈ほどある岩もいい。なんとも登りたくなる。登って飛び降りたくなる。そんな気持ちを忘れたくないものだ。もっとも身体が許す限りの話だが。

史跡というのも良い。最近は大河ドラマを観るようになったので尚のこと良い。ドラマの登場人物がここを通ってあの戦場へ向かったのか、あの話の頃ここら辺はこうだったのか、悠久の時に思いを馳せながら飲むのは大変気持ちが良い。お気に入りの岩に腰掛け、磯田道史先生の本なんか読んだら相乗効果で頭が良くなった気になれる。

そんな邪な想いを知ってか知らずか、この日は風に読書を邪魔された。冷たい風が吹き荒ぶ公園は土曜日だというのに人っ子一人いない。

風がページを繰るスピードに俺の目は到底着いていけないので、まだ黒ラベル一本も飲み切らぬうちに暖かいマイルームへ退散した。

じゃ、また。

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