子どもの話をきちんと聞くと未来は明るいと思える。
少し前に、水谷修先生の講演会があるので、出かけた。
水谷先生にお会いするのは、2回目。「約束」を出版された時に書店でサイン会があったので、本を購入してサインしてもらった。
講演を直接聞くのは、今回、初めて。
お話は、テレビで何度か聞いているけど。
水谷先生は、夜回り先生として有名な方で、誰でもメディアで見た事があると思う。
先生は、何年か前から癌を患っていると言っている。
サイン会の時もそう言われていたけど、2015年のことだったので、8年前かな?
でも、お変わりないような気がしました。
それでも、来月また入院するそうです。
何度聞いても、先生のお話は涙腺が緩んでしまう。
どうしても、息子が不登校だった時の事を思い出すからだ。
息子は、いじめを受けたわけではないが勉強について行く事ができず、先生に叱責される毎日だった。
中学生になってから不登校になったのだけど小学生の時から兆候はあった。
だけど、入学した時から、学校が苦手ではなかった。
でも、3年生の時に学校が統合されて統合先の学校へ行く事になった事と勉強が難しくなった事とが重なったようだ。
先生に注意される事も増えだんだん居場所がなくなっていった。
それでも、勉強以外は楽しかったと思う。
学校の先生、親(つまり私)などから結構怒られていたなと思う。
褒めることよりも叱る事が多い毎日。
最初は、興味で始めた「そろばん」や「スイミング」も学年が上がるとできたことを褒めるのではなく、できなかったことを注意される事が多くなった。
だから、だんだんやる気を無くしていった。
息子は、小学校の入学式は笑ってたけど卒業式は出られなかった。
家から出る事ができなくなっていた。笑えることはできなかった。
講演で、先生は、子どもだちに褒めた回数と叱った回数どっちが多いかと問われて褒めた回数の多い親たちに挙手を取っていた。
叱る事が悪いのでなくて褒めないのが悪いのだ。
たくさん叱ったのなら、その後たくさん褒めればいい。
そう言われているような気がした。
成人になった息子に叱ることなど、滅多にないが、褒めることもないと思った。
それでも、やっぱり小言を言っているような気がする。
「うるさい」って思われているから。
息子は息子だし、自分の子どもなんだから、褒めることって大事だと思った。
それでも、今、良好な関係を持ててるのは、不登校になったからだと思っている。本当は、学校へ行けなくなるまでに対処したかったけど、できなかったのも事実。
いろんな人に相談して助けてもらって、時間がたっての結果。
いろんな人に相談することは、自分の子どもが不登校だということをアピールすることだからやめた方がいいと言われた事もあったけれど、それでもやっぱり自分が話すことで、救われる人がいたり、ヒントになってくれる人がいるならそれの方が数倍いいのかも知れない。
私は、叱ってばかりいた母親で、水谷先生に叱られる大人の1人だった。
「ごめんなさい」
誰に対してかわからないけれど、ただ「ごめんなさい」としか思えない。
実は、この講演、水谷先生の講演がメインではなくて、
京都府綾部市に「アショカランド」という施設を造ろうとしている団体の主催のイベントだった。
現在は「るんびに学園 綾部こどもの里」で代表をされておられる藤大慶さんが、児童養護施設を出た後に帰る場所がないので、それを作りたいと思い、そのほかにも障害者施設や精神福祉施設など社会的に困っている人の受け皿を作りたいと思っての活動に水谷先生が賛同して今回の講演が開催されたらしい。
いいお話を聞くと心が暖かくなる。人を褒めるのは難しいけれど、そこを意識したいなと思った。
そんな一日でした。