表現し、形に残す事を学校教育へ①
少し思い浮かべてみてください。
「学校(小中高)で勉強した事」って、どんなことでしたか?また、その学んだことは、今生きている上で活きていますか?
だいたい、こんな感じかな?っていうのは思いつくかと思います。皆さんの考えた事については、コメントで教えていただけると嬉しいです。
さて、学校は、大きく括ると「学ぶ場」です。それは自明です。教科教育はもちろんのこと、人間として生活する上で、必要なスキルやマナーなど、心技体全てにおいて成長できる場です。
例えば、小学校では、初めて国語や算数などの教科を勉強し、集団生活を迫られる事で、自分と社会がより密接につながります。中学校では思春期を迎え、異性との関係を持つ事について学び始めます。高校では、より専門的なことを学ぶ一方、義務教育ほどの強制は受けなくなる事で、自由で個性がより引き立ち、自分の趣味や好きな事にかける時間が増えます。
生徒会や体育祭のリーダー、応援団や部活動など、活動に取り組んでいた人は、そういった記憶が強いかもしれません。その中で、人の動かし方とか、リーダーシップや、企画実行など、様々に今に活きそうなスキルを身につけた人もいると思います。
僕はそのようなタイプの人間ではなかったし、部活動では控えめに過ごしていたので、そういったスキルやメンタルは、結局身につくことはありませんでした。むしろ、そういう側の人たちの方が多いと思っています。
それがポジティブなのかネガティブなことなのか。もちろん、スキルや強いメンタルなどは持っていればその次の出来事にも応用できますし、そういった人の方が活躍しているような気もします。
しかし、そもそもそういう機会を与えられない人たちっていうのは、一定数います。だって今のシステムでは、必ず誰かがリーダーやまとめ役となり、そういう人たちが成長できる環境しか提供しないから。
じゃあそれに漏れてしまった人たちは、何を強みに生きればいいのか?スポーツ、芸術系のスキル、その他の特技とか、特別なスキルや飛び抜けたものがあれば、それを活かすこともできますが、僕みたいな、特にスキルや特技もないような人間は、何を持ってして価値を示すことができるのか?
でも、僕みたいな人が順調に成長してくれることが、結果として従順な労働者が生まれることにつながっていたので、昔はそれでもうまく社会が回っていました。
しかし、時代が変わったことで、求められる人材像は大きく変化していると思います。そして、雇われる側も、企業を選べる時代です。
だからこそ、自己分析と企業分析が就活では不可欠であり、自分は何者でどうしていくのが良いのかということを考える事になるわけですね。
でも、僕の世代(1996〜1997年生まれ)でも、かなりの人が「なんとなく就職」している人が多い。
そんなふうに思います。
このままでは、どんどん新しい時代に取り残され、なんとなく生きる人ばかりになり、日本の生産性は落ちていくばかり。団塊の世代が若い時は、人海戦術でなんとかなったのかもしれませんが、今は少子高齢化。労働人口の数がもう上昇する事はありません。
わずかな可能性にかけるとすれば、移民や外国人労働者の存在です。しかし、それすらも、今の悲惨な外国人受け入れ状態では、数年後の未来ですら、明るいとは言えません。
なので、やはり最後に頼りになるのは、日本国民になるんじゃないかと思っています。
では、今から生まれ成長していく子どもたちにもたらすことができる物はなんでしょう?
詳しくは次回書きますが、簡潔に述べると、
「課題解決能力とその実践力」
「チームの中で生きる力」
「世界を素直に見る力とクリエティビティ」
だと考えています。
その実現に必要な、新たな学校教育の形が
「Challenge Based Learning(CBL)」
です。日本語訳は、「課題解決型学習」。
今回は、このCBLについて超簡単解説をして終わりにします。
例えば、中学校社会を例にとりましょう。(あんまり好きじゃない人が多いと思ったので)
分野は地方の特産品や産業分布について。(苦手な人が多いと思ったので)
今までだったら、教科書を見て、黒板を写して、少し班活動みたいなものをして、気づいたことを発表。みたいな流れでしょうか。今だったら、ビデオなどのメディアで、生徒の興味を引くことも可能です。そして、大まかに取り扱えば、そのあとにテストが待っています。覚えられん。
では、CBLの考え方を応用すると授業はどうなるか。
教師は、まずそれぞれの地方における産業について、生徒の興味を惹きそうなものをいくつかピックアップして、タブレットでその産業の動画や写真などを見せます。また、同時に今日本の産業は減速気味であり、それによって引き起こるであろう労働者問題などについて話します。
下準備が終われば、次に「その日本が抱える減速気味な産業をPRしよう、もしくは実際に販売促進しよう」という話をします。
そこで、生徒は、まず自分が扱いたい県や地方の産業について、自分でタブレットやPCを使って調べます。
そしたら、それぞれがPRのために、その産業に関する動画、冊子などを作る(もし同じことを調べていたなら、グループでも可)。もし本当に販売したい子供がいれば、それを行う日時、場所、購入ルートの発見から実際の販売まで生徒主体で、教師はそのサポートをします。(場所の確保とか金銭面の管理など)
そして、その販売結果に応じて、実際にその地方の人達に知らされ、教師が主導しながら年に一回の販売時期を設ける事にします。
また、生徒によって作られたPR用のメディアは、実際にその産業の紹介に使ってもらったり、Youtubeに投稿したり、冊子をその産業関連の会社やそれで有名な地方に送ったりします。
そうして、実際にその効果を聞いたり、情報を訂正したり、より深い学びをする事につなげます。
以上です。さて、どちらが生徒にやりがいをもたらし、学習効果があるかというのは明確だと思います。
つまり、「実際に世界に存在する課題を、学んだことを活かしながら様々な形で表現し、実際に世界に提示する」。
ことを、CBLは目標とします。そのために教師は、知識のプロではなく、共に学ぶ、サポートしてくれる学習の先輩として振る舞う事になります。
これは、全教科、全学年、どの地域でも対応するやり方であり、やる気次第とも言えます。
CBLは、このような可能性を秘めた、新たな学びの形となる可能性があります。そして、先ほど挙げた、これからの子どもたちが身に付けるべき事についての関連性などを次回はお話しできればと思います。
それでは!