あたしの池田祐一推し物語 10 最終話 ~大団円~
初のプレイオフは一勝もならず。
池田祐一としては、本当に悔いの残る結果だっただろう。
かたやあたしは、覚悟がついていた。
もうこれ以上望むのは、贅沢なのかもしれない。「B1でも通用する」「来季はきっとB1だ」という見方は、この頃からあったのだ。
バスケに詳しくないあたしでも分かる。池田祐一は、きっとB1で羽ばたける。
でもそれでも、池田祐一は青森を選んでくれた。
やはり悔しかったのだ。当たり前である。
さあ池田祐一、あの舞台での借りをキッチリ返しに行こうじゃないか!!
全試合終了直後に発表された池田祐一の継続に、ワッツ民はここぞとイケイケになり、引用RTには借りを返したいワッツ民の発奮の言葉が並んだ。
そうなんだ。
君がいれば、なんでもできるような気がするよ。
日本人選手がほとんど残留してくれたシーズン。ワッツは辛くも泥臭く勝ち上がり、今季もプレイオフ進出なるか、と思っていた頃。
主戦力だった福田真生の引退
高原(元)HCの契約解除
そして、青森ワッツの経営危機。
激震が走った。
絶望する者、投げやりになる者、ネタに走る者、様々な反応が見られる中で、池田祐一は絶対に前を向いていた。その強気なプレイと同じく、こんな危機なんて吹っ飛ばしてやる、そう見えた。
まおたんの引退後の試合では、「まおさんは嫌がるかもしれないけど」と、引退セレモニーが無かったまおたんのユニを掲げ「拍手を」と。
割れんばかりの労いの拍手が会場に響きわたる中、彼のコメントはブースター達の涙を誘った。
危機が発表されてからは、「太陽のように照らしたくて」と、髪色を赤にして試合に臨んだ。
そんな池田祐一に引っ張られるようにブースターも前を向き、危機を乗り越え、借りを返すための2度目のプレイオフ。
なりふり構ってなかった。
相手は滋賀レイクスターズ。
前季の借り。
突然の仲間の引退。
手綱を握ってくれたHCの契約解除。
所属チーム消滅の危機。
そんなものを全て背負って、池田祐一は戦った。
1戦目、結果は勝利。
すんでのところで手にした勝利であった。
けれどもこの池田祐一のプレイが波紋を呼び、Twitterは荒れに荒れた。
真剣勝負に良いも悪いもない。ただ様々な見方があるだけだ。
そしてこのプレイオフ。
3戦目までもつれ込む激戦の末、青森は負けてしまった。滋賀に敗北した。
荒れに荒れたTwitterは、全てが終わった試合後、池田祐一の一言
「B1行ってくださいね B1!」
で幕を閉じ、全てが大団円。
全てが良しになり、あたしはポツリとこう呟いた。
しかし、滋賀である。
滋賀ブースターは、池田祐一のB1発言でフンニャリとしたけれど、池田祐一の何を知っている?この素晴らしい選手の何を知ってる?たった一部じゃないのか?
滋賀め、池田祐一をくらえ。
滋賀だけじゃない、全世界よ池田祐一を知れ。
知って、マッド・マックス怒りのデスロード、八甲田の狂犬、全てを焦がし尽くす太陽、来季B1の男、切れたナイフ池田祐一の由来を思い知れ。
ヤツが駆け抜けた後は、焼け野原だ。
あたしはそんな思いを胸にし、この呟きを送信するのであった。
あたしの池田祐一推し物語 ~完~
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