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顧客の期待を越える成功への道筋 〜営業とプリセールスエンジニアの協働を考える〜


はじめに

同じ商談を見つめながらも、時として異なる景色を見ている営業とプリセールスエンジニア。両者の視点の違いは、時として貴重な気づきをもたらし、また時として軋轢を生む原因となります。しかし、本当に重要なのは、その違いを埋めることではなく、共通の言語で対話し、顧客の期待を越える大きな成功という共通のゴールに向かって進むことではないでしょうか。



共通言語の必要性

異なる視点がもたらすもの

営業は商談の実現可能性を、プリセールスエンジニアは技術的な実現可能性を追求します。この視点の違いは、本来、商談を多角的に捉えるための強みとなるはずです。しかし、共通の評価基準がなければ、その違いは単なる意見の対立に終わってしまいかねません。

共通指標の活用と解釈

BANTという基本的な共通言語

予算(Budget)、決裁権(Authority)、必要性(Need)、導入時期(Timeline)という基本的な評価軸は、商談の実現可能性を図る上での共通言語として長く活用されてきました。

MEDDICでより深い対話を

さらに踏み込んだ評価軸として、MEDDIC(Metrics:定量的価値、Economic Buyer:経済的購買者、Decision Criteria:意思決定基準、Decision Process:意思決定プロセス、Identify Pain:課題の特定、Champion:推進者)という指標も有効です。

しかし興味深いのは、同じ指標でも立場によって着目点が異なることです。例えば:

  • Metricsについて

    • 営業:ROIや予算対効果の数値

    • プリセールス:パフォーマンスやスケーラビリティの指標

  • Painについて

    • 営業:ビジネス上の課題や損失

    • プリセールス:技術的な課題や運用上の問題点

このような視点の違いは、必ずしも埋めなければならないものではありません。むしろ、異なる角度からの評価があることで、より包括的な商談の理解が可能になるのです。



リスク認識の違いを活かす

視点の違いが生むリスク認識

プリセールスエンジニアは、その専門性から、より多くの技術的リスクを見出す傾向にあります。これは時として、営業からは商談の進行を妨げる要因と捉えられることもあるでしょう。しかし、このリスク認識の違いこそ、実は大きな価値を持っています。

リスクを共有財産に

重要なのは、発見されたリスクを商談チーム全体の共有財産として扱うことです。それは単なる障害物ではなく、より確実な成功への道筋を示す道標となるはずです。



顧客の成功に向けて

共通のゴール

営業もプリセールスエンジニアも、究極的な目標は顧客の成功です。この共通認識があれば、リスクの指摘も、商談推進への意欲も、全てが同じ方向を向いた建設的な議論となります。

オープンな対話の重要性

リスクを隠さず、むしろ積極的に共有し、対策を講じる。そのような文化があってこそ、真の意味で顧客の成功に貢献できるチームとなれるのです。



成功への道筋

リスクマネジメントの本質

リスク管理とは、リスクを避けることではありません。それは、リスクを適切に認識し、対処することで、より確実で顧客の期待を超えるおおきな成功への道筋を作ることです。

チームとしての達成感

全てのリスクを洗い出し、対策を講じ、チームとして最善を尽くす。そのプロセスを経てこそ、真の意味で「やりきった!」と言えるのではないでしょうか。



おわりに

共通言語を持つことは、単なるコミュニケーションの円滑化以上の意味を持ちます。それは、異なる専門性を持つメンバーが、同じ目標に向かって進むための基盤となります。

リスクの指摘を恐れず、むしろそれを活かしながら、チームとして最高の成果を目指す。そんな協働の形を、私たちは追求していく必要があるのではないでしょうか。

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