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黄泉のツガイが打ち切りとか騒ぐアホがいるのでむかついたから書く
そもそも作家としての面白さって何だろな。
流行の要素を詰めて複雑な伏線で読ませる物語?
それとも王道として少年漫画を突き進む感じ?
そんなくだらない論争してる暇があったら自分で考える方が面白くないか。調べる素材は世の中に時間がいくらあっても足りないほど溢れているのに。
というわけで今回は荒川さん関係の愚痴みたいな読書分析記録だよう。
正直言って作者は少年誌が大好きだからそういう話を書いているとは聞いたことあるけど唯一無二ってな訳でもないのにどれ読んでもあるというか突き抜けたものが常にあってそれから広げて読んでいくのが好きなんだよね。
今回は黄泉のツガイに関して新刊出たし読み直したけどやっぱり変わる事がない作家さんの1人という感想であっているだろうか。
タイトルからして神様の話とおもわせておいて実際は神ではない描写はするのかぁと思いつつ、力の使い方を間違えなければ名のある神ともなれたようにと右さんに言われてしまう手足足長といい、こな世界に出てくるツガイという謎の存在は多分荒川さんなりの世界層の捉え方を垣間見せてるんだと思う。
古い話で恐縮だけどハガレンの時って魔法みたいな錬金術を扱うけれど実際は物理法則を持った化学変化の一つのような捉え方が面白かったしなぁと。
基本的に真理と呼ばれるものは確かに存在するんじゃけどもそれを安易に神様とか訳の分からないものとして捉えることはしないし、結構核心をついてるのが異能者の物語でありながら絶対に起こらないのが最強能力論争。
個々人としての強さについて語ることはできるけど絶対に何故か出て来ないのが最強の能力者は誰なのかとかいう不毛な議論を聞いた試しがない。
普通少年マンガだったらそれを無視するような編集は首飛ぶだろなと思うけどこの人に関しては絶対的に強さとはについて視点がブレることがない。
どれが強いで語るのじゃなくどういう人間が強いのかで語ることが多いせいなのかと思うけど、そのせいか個人的に刺さりやすい台詞回しが他にないこと夥し。
今作ではユルがキャラとして地味とかいう見方もあるけれど、現実で考えてみるとキャラから出る考え方って現代では確実に異能なのよ。
思考の全てを生存に対する本能としてロジカルに出力するキャラって悪役なら許されるけど主人公に持たせるのって結構難しい気がする。
でもそれは人が生きてたら普通に待ってるはずの感覚だし外付けの倫理観があるとなくしてしまうようなものだったりする。
その辺から邪推になるけれど作家としての経験というよりはそれまでの人生から生まれてきた考え方なのかなとか銀の匙から連なるキャラ付けで納得してるとこはある。
そこで新8巻で語られる作者としてのメタ要素。
人間に関する描写について何だけどよ、性格としてブレがある方がキャラクターは面白くなると言われてまあやるせ無いわけだが。リアルと創造の狭間ではまだ知るものはあびそうなの。
本人の取材好きから現実でも巻き狩りみたいな物は見てきたはずだろうし北海道のヒグマは笑えないからね。
でもまあ今作の肝になるのはツガイと黄泉路との関係性なのか。
神様のように思われてる存在でも消えることがあると見たら土俗宗教の影響として面白いしオシラサマを大神の1人に読んでるとことか気になるよね。
ついでに記しておくけど土地神様とか言われるような存在について知っていても損はしないと思うよ。せっかく日本に生まれたんだし遠野物語じゃ無いけれどなぜ何百年も人達が守っていたのかだけでも知る価値はあるのかな。
それを言うほど本人は理解してるわけでは無いのだが。
締めというわけじゃないが今作は単にバディ物で終わらせるのかそれとも表と裏の繋がりを黄泉路に例えるのか、考察するにしても幾つにも深読みさせるでもなく読み手の解像度にゆだねてる感じが強い気がする。
もちろん読み物としてもね、タイトル回収よろしく。