日が長くなる
『日が長い』という表現を、近頃耳にするようになった。『陽』ではなく『日』が正確な表記らしい。
確かに、日の出時刻は着実に前進し、日の入り時刻は後退している。
『日』の本質は『陽』である。人は太陽に倣って活動と休息を繰り返す。
『日が長くなる』という、矛盾を孕んだ表現は、太陽に付き従うことしか出来ない人間の無力さを表しているようにも思える。
そういえば、学生時代の部活動は、日の長さによって活動時間が決まっていた。夏と冬では1時間以上差があった。
『日が長くなる』と聞くと、少しばかり億劫な気持ちが湧き出てくるのは、それが原因か。
この文章を書いている現在。午前4時30分也。
空が蒼く色づいてきた。
僕はもう寝ることにしよう。
現代人は、太陽を無視することも可能である。