「強くならなきゃ」をやめてみた。
昔から、心が傷つきやすい。
周りの人からは、「お嬢様」「豆腐メンタル」「極細のシャーペンの芯」 などといわれるほど脆いらしい。(笑)
例えば時々、
誰かの何気ない一言を重くとらえすぎて、
考えすぎて一人で泣いてしまうことがある。
24年も生きてきて、社会人にもなったいまでも、
ポロポロ涙があふれて止まらないのだから自分でもびっくりする。
でも後々振り返ってみると、「なんだ、あんなことで大げさすぎたな」と
思うことばかりだ。
とりわけ、キツイ言葉遣いや言い方には敏感で、普段は優しいのに急に怒り出すなどギャップを見せられるとびっくりして泣いてしまうことが多い。
多感な幼少期、思春期、社会人になった今もずっと一貫している自分の性格だ。
思春期に親と些細な言い合いになったときには、部屋に閉じこもって一人で何時間も泣いてしまうことも何度もあった。学生時代、初めての予備校でのバイトで、保護者からのクレームがあったときにはバイト先で泣いてしまったこともあった。彼氏と意見が合わず、街のど真ん中、人通りもあるところで話しながら泣き、その後電車で家に帰る時も涙が止まらず、本で感動して涙を流しているように見せて乗り切ったこともあったほど…。(・_・;
そのたびに、「強くならなきゃ」と思い、
身体を鍛えたり、自己啓発本を読んで勉強したり、日記を書いたり、
家族友達に相談したり、考え方を変えてみたり、色々な方法を試してきた。
でも最近思うのは、
「強くならなければいけない」という前提は、
もしかしたら間違いなのかもしれない。ということ。
分かりやすい例を挙げると、
職場である理不尽な上司に言われた一言で、ひどく傷ついてしまったとする。
周りの人は、「あの人はああいう人だから、あんな人の言うことなんて、気にしなくていいよ」
「なんでそんなしょうもないことを気にしているの?(笑)」
「あんな奴の言うこと気にしている時間がもったいないよ。」
という人もいれば、
「ひどい!そんなこと言うなんて!なんて奴だ!」と怒りを露わにすることもある。
そうやって話を聞いてくれる人がいただけでありがたいのだが、
そういったアドバイスを聞いても結局は腑に落ちず、
また些細なことで傷ついては、強くなりたい、強くならなきゃと
思うのを繰り返してきた。
最近何気なく読んだ本、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』にこんなことが書かれていた。この本で学んだことはたくさんあり、別の記事で改めて扱いたいと思っているが、一部分を簡単にまとめると、
・感覚というものは、その人にしか分からない数値化できないものである。
・繊細過ぎる人は、ポジティブな意味でも他の人より大きな感動を得やすい。
ずっと当たり前のように信じてきた価値観が、まるっきり変わった瞬間だった。
些細なことで傷つきやすいのは、感情の振れ幅が大きいということで、
素晴らしい音楽や芸術などでより大きな感動に満たされる素晴らしい感性を持っているということでもあると分かった。
それまでの自分はといえば、
・強くなること=成長
・強くなること=良いこと
・傷つきやすいこと=劣っていること
と、誰に教わったわけでもないのに、そう思い込んでいた。
自分が傷つくのは自分が弱いからであって、悪いのは自分だと考えてしまっていた。だから些細なことで傷つくのは自分が弱いからであって、自分が強くなれば良い自分に成長できると思ってさらに自分を苦しめていた。
でも今は、
「傷つきやすい自分を変えて、強くならなくては」
という概念をやめてみた。
傷つきやすい(繊細な)感性を持っているということは、
自分の弱点なのではなく、特性なのだと考えを変えた。
そうすると、誰かの言葉に傷ついた時も、
「自分が傷ついたのは、他の人と比べて繊細な感性を持っているからなんだ。」
と自分を客観視することができた。
今までの自分であれば、
「こんな小さなことで傷ついて、私ってホントに弱い、強くならなきゃ。強くなりたい。」
と自分を無為に責めていたと思う。
無理に強くなろうとして泣くくらいなら、
自分の感性に向き合って、ぞんぶんに悲しみと向き合った方がいいと気づいた。一人で泣いたって良いじゃないか。皆の前じゃなければ。
そして、傷ついた経験を反面教師にして、
「今度は自分が他の誰かを傷つけることがないように、とびきり素敵なやさしい人になろう。」
と思えば自然に悲しみを乗り越えられるかもしれない。
もしだれか自分の友達が傷ついて悲しんでいるときがあれば、傷ついているその友達の感じ方も丸ごと肯定し、そっと寄り添ってあげたいなと思う。友達を傷つけた人を非難するのではなく、友達のとらえ方をを変えてあげようとするのでもなく、ただ寄り添って、本人の感覚を理解してあげたい。
そしてこれから自分自身が傷ついたときも、まずは自分の心の声に耳を澄ませて、自分は今何を感じて、何に傷ついているのかをじっと観察してみようと思う。
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