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市内RPG 51 疲れ回復「マカ」
ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。
1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために修行することに決めたのだ。
修行してくれたのは、僧侶カナのおじいさんのお兄さん。自画自賛の「天狗」だ。修行の場所は、子郡市の花盾山。ボート漕ぎと早口言葉だけが鍛えられた、、、。
そして、3日目にして、最終試練。試練のほこらの奥にある置物を持ってくること。ほこらの奥を進んでいる。
ところが、このほこらは、メダルスライムの巣だったのだ。
素早く動く銅メダルスライム、銀メダルスライムがぶつかってくる。金メダルスライムは魔法を吸収して分裂するからやっかいだ。
「銅と銀はまかせて!」魔法使いヒラが言った。
「ミナアツッ」
「ミナツメタ」
「ミナビリー」
炎と水と雷の呪文を楽しそうに唱えて、一気にスライムを倒していく。
「おっと、こっちに被害がないようにしてくれよ。」
戦士ヤスが、マもの星竿をぶん回しながら言った。
「もう危ないわねー、びりびりはいやよ。」
僧侶カナも、木魚で金メダルスライムをたたきながら言った。
ぼくは、呪文で銅メダルスライムと銀メダルスライムを狙いつつ、金メダルスライムも勇者のカッターで切っていった。
ボート漕ぎと早口言葉の修行の成果か、呪文もスムーズだし勇者のカッターもいつもよりも軽く感じる。
それにしても、数が多い。
ぼくらはひとまとまりになって、少しずつ奥に進んでいく。狭いお堂だと思ったのに、暗闇はずーーっと奥まで続いている。
「ちょっとやばい。魔力が切れそう」魔法使いヒラが言った。
「道具を使え。かばんに『マカ』がある。」戦士ヤスが言った。
ヒラは素早くかばんを開けて、『マカ』を取り出した。白い錠剤。小さくMKとある。1日1回3錠。
「ぼく、錠剤は苦手なんだよ。水もないし。」
ヒラは苦しみながら、なんとか飲み込んだようだ。
ごくり。
すると、「あーーー、なんだこれは。疲れがぬけていくーーーー。」
ちょっと元気になったようだ。魔法力回復で「マカ」なのだろう。よかった、即効性の薬で。次は水も必要だな。
ヒラは、ばんばん呪文を打ち出していく。
メダルスライムたちにはヒラの呪文が効果的なので、どんどん前に進める。
すると、ほこらの外から天狗の声が聞こえた。
「もうちょっと進んだら、回復の泉があるぞーーー。そこまで、がんばれ。」
「もう少し奥まで進んでみよう。」
ぼくは三人に声をかけた。
これまではこちら。