市内RPG 45 勇者、ボート漕ぐ
ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。
1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために「花盾山」で修行中。
僧侶カナのおじいさんのお兄さんである「天狗」が一応の師匠である。ボートで無敗、少林寺拳法も超一流。将棋も強く、学校一のモテ男、、、、自称だが。どうやら、そういったところが「天狗」らしい。
1日目は、ボートを漕ぎまくって終わった。
2日目の朝。天狗は、原チャリでやって来た。
「おはよう。ゆっくり眠れたかね。早速今日もがんばろう」
「はーーーい」空飛ぶ呪文トベルーで今、来たばかりのカナだけが元気な返事をした。
「ささ、ボートに乗って」
「またあ?」
戦士ヤスが声を上げた。これにはカナもげんなりした顔を見せた。
「うむ、キミたち、来なさい」
そう言って、魔法使いヒラと戦士ヤスが手招きをされた。
「はい、姿勢を正して、気を付け。」
天狗は、ヤスとヒラを向かい合わせに立たせた。そして、間に入り込み、二人のおなかに手を当てると、少しだけ押す動作を行った。
「ふん!」
「・・・・・・・」
ヤスもヒラは、おなかをかかえて、悶絶している。
「魔法使いも戦士も、これじゃいかん。姿勢を正しく保つこと、呼吸を整えることの2つが大事なのじゃ」
天狗は、そう言って、池の水面を見つめた。
「そのためのボートじゃーーーー」
ぼくらは、あわてて、ボートに乗り込んだ。あとは、ただひたすら、漕ぎまくった。腕と足がつりそうだ。腹筋も痛い。
「ようし、午前中のメニューは終わり。休憩してよし」
ぼくらは、ボート乗り場に倒れ込んだ。
ボート部ではないのに、強くなれるのか、、、。
天狗は笑っていた。
これまではこちら。
おひまならこちらもどうぞ。