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市内RPG 34 トーテムポール提灯

ぼくら、レベル10。勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。

エオンショッピングセンターの段ボール回収箱から続く段ジョンの地下3階を探索中。

日本式の祭壇で、お化け提灯4つが合体したトーテムポール提灯と戦っている。重なった8つの青い目がにらんでいる。

そして、4つの口から吐き出される無数の火の球に苦戦中。

魔法使いヒラの水の全体呪文「ミナツメタ」で、火の球を打ち消したり、僧侶カナの回復呪文「ナムー」で、火傷を治したりしているが、吐き出されるたびに、火の球が増えるので、大ピンチだ。

突然、戦士ヤスがぼくに、水の呪文を唱えるように言った。

「ツメタ!ツメタ!」
水のかたまりが2つ、ヤスに向かって飛んでいく。

ヤスは、マもの星竿の両端で、2つの水のかたまりを受けた。そして、すかさず、トーテムポール提灯の真ん中に打ち下ろした。

水の力を借りた一撃がトーテムポール提灯にヒットした。

グゥオオオオオーーー。

動きが少し止まった。、、、これは効いてるぞ。

「ツメタ!」
ぼくは、ぼくに向かって水の呪文を唱えた。

水のかたまりを、勇者のカッターで受ける。すかさず、攻撃。横に払った。

グゥオオオオオーーー。

こちらの攻撃が有利になっている。

ヒラとカナが目を合わせた。

「メチャツメタ!」
ヒラの水の強化呪文だ。大きな水のかまたりがカナに向かっていく。

カナは木魚ばちでそれを受け取って、そのままトーテムポール提灯にたたきつけた。

グゥオオオオオーーーーーーーーーー。

トーテムポール提灯は水浸しになって動かなくなった。

かすかに煙が立ち上っている。

「勝ったみたいだね」
ヒラが座り込んで言った。疲れているのだろう。

「魔法剣士みたいだな」
ヤスがちょっと威張って言った。

確かに。魔法と剣技の組み合わせだ。

「これ、何からしら」
水浸しのトーテムポール提灯のそばに、金のペンダントが落ちていた。

「ドラゴンのペンダントに似てるなあ」

ネックレスの先に、○に「了」の飾りが付いている。ネックレスも金。飾りも金。これは拾ってもよさそうだ。

「写メ、写メ」

水浸しになったトーテムポール提灯を写メして、送信した。

「経験値2400、2000円」という返信があった。

、、、レベル11は、まだのようだ。


ふと祭壇を見ると、その奥が光っている。
さっきは光ってなかったけどなぁ。

緑のライトに白い文字が光っている。
「非情口?」

「字を間違えてるわね」
カナが少しあきれた感じで言った。

祭壇の扉をゆっくり開ける。奥には、また、階段。地下4階。

こわいよーーー。帰りたいよー。しばらく太陽の光を見てない気がする、、、。


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