市内RPG 48 試練のほこら
ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。
1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、僧侶カナのおじいさんのお兄さん「天狗」に2泊3日の修行をしてもらっている。
修行の場所は、子郡市の端「花盾山」。2日間が終わったのだが、ボート漕ぎと早口言葉だけ、、、これで強くなれたのだろうか。
2日目が終わり。3日目、、、。今朝も天狗は原チャリでやって来た。
「今日が最終日じゃから。試練のほこらに行くぞい。」
ぼくらは、天狗のあとについて行った。歩いて20分。そのほこらは、花盾山の中腹にあった。
白い石の寺院風な造りだ。洋風のお堂と思えばいいのかもしれない。お堂自体は部屋一つ分くらいに見えた。重そうな木の扉で閉じられている。
「ここには、メダルスライムという魔物が住んでいる。片っ端から倒しなさい」
天狗は言った。
「ぼくら、レベルアップしてないし、強くなった実感が、、、」
魔法使いヒラが、戦士ヤスと顔を見合わせながら言った。
「格闘系はボート漕ぎで鍛えられたはずじゃぞ。そして、呪文系も早口言葉で数段レベルが上がってるはずじゃ。あとは、魔物を倒せばよい」
そう言いながら、天狗は木の扉を押した。木の扉はぎぃっと開いた。
「苦しくなったら戻ってきてよいからな。一番奥の置物を取って来たら終了じゃ」
ぼくらは、おそるおそる中に入った。ほこらの奥は暗くて見えない。ずっと奥まで続いているようだ。
「ミエルー」
僧侶カナが呪文を唱えた。暗いはずなのに周りの様子がよくわかるようになった。
「ねえ、ちょっと、わたしたちすごくなってるかも、、、」
そうカナが言ったとき魔物が現れた。
スライム、、、?頭に茶色のメダルをかけている。「銅メダルスライム」だ。
ぼくらは構えた。
これまでは、こちら。
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