天女のこみちと、なぜか桜と

通院が思いのほか早く終わった。
出歩く元気があるだけ、気楽になったのかも。
行き先を決めずに阪和線。
鳳から、東羽衣まで、ひと駅だけの支線に乗ってみる。

天女のこみち(東羽衣駅→南海羽衣駅)

羽衣。美しい駅名である。
何か由縁があるに違いない。

天女伝説と与謝野晶子さん

天女伝説(羽衣伝説)は日本は勿論、世界各地にあるらしい。

昔、浜寺(大阪府堺市と高石市の沿岸部)のあたりの松林がたいそう美しかったので、天女が松の木に羽衣を掛けて海で遊んでいた。しかし漁師がその羽衣を隠してしまったので、帰れなくなってしまって…。

日本の各地に似たような話があり、結末も何種類かあるそうだが、浜寺の天女の羽衣の話は、結末がどうもはっきりしないらしい。

何だか、調べたくなってきた…

 羽衣の短歌、ってあるのだろうか。
堺市といえば、与謝野晶子さんだよね。
「与謝野晶子 羽衣」で調べてみると、あった。

朝ぼらけ羽ごろも白の天の子が乱舞するなり八重桜ちる

与謝野晶子さんの歌

伝説に直接関係はなさそうだが
八重桜の散る様子が白い羽衣を来た天女の乱舞のようだという
とても美しい歌だ。
しかも、近くの
羽衣学園大学に歌碑があるという。

あらかじめ電話でお許しをいただき
撮らせていただいていた写真がこちら

羽衣学園大学内の歌碑

大事な学校行事の日にお邪魔してしまい
ご迷惑おかけしたのに、優しく対応していただき
ありがとうございます。

浜寺公園で松の木探し

もう一度南海電車の駅を超え、浜寺公園まで歩く。
天女が羽衣を掛けたという松の木…は現存しないが
その2代目として
「羽衣の松」が植えられているらしい。


待てよ。松の木めっちゃある。

何千何万本の松の木から、天女が羽衣を掛けたという木
(の2代目)を探し出すのは無理。
公園管理事務所に行って尋ねてみる。
親切に教えてくださった。ありがとうございます。

浜寺公園の中には交通広場というのがあって
汽車がループ線で走っていて、その中にありますよって。


手前に線路が。


あった。2代目羽衣の松。

 なるほど。短歌が読まれた頃とは風景がずいぶん違ってはいるが、羽衣天女伝説は、しっかり地域に根付いているかもしれない。


気温が急上昇、桜が開花。
映り込んでませんが、大勢のお花見の方が。

今回のタイトルに、「なぜか桜と」と入れたのは
与謝野晶子さんの歌が読みきれてなかったこと。
晶子さんは、桜の散り際が綺麗な事、ご存知だったんですね。

また一歩、勉強だな。

駅を降り天女のこみちのその先に出逢いの多き春の一日

羽衣の松を探して見つけたが線路に囲まれ我近寄れず

もしもまだお探しならば天女様密林で買って贈りましょうか/とんだ一杯食わせ者


参考文献、サイト
善住寺WEBサイト (一財)大阪府公園協会 髙石市、堺市
与謝野晶子倶楽部 土肥敏夫の世界(各敬称略)

たくさんの方々にご協力いただきました。
ありがとうございます。
羽衣学園大学の方、折角サイト名まで訊いてくださったのに
あまり観られてないXやnoteですみませんでした。









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