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#大人の童話
✳︎堕天使 ニース✳︎(20)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
20ページ✳︎
ニースが病室に戻り、スヤスヤと眠っているルイの足元で倒れ込むように眠りについたあと、朝日が枕元に差し込みルイが先に目覚めた。
ニースがルイを助ける術を探している事など知らないルイは、ぐっすりというより、ぐったりと眠りについているニースの姿を見て、違う世界に来て疲れているのだろうと、出会って間もないということを忘れるくらい、心が開ける
✳︎堕天使 ニース✳︎(19)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
19ページ✳︎
「寂しかったよ…、ニース。新しい友達ができて、もうここに来ないんじゃないかって…」
いつも感情を抑えていたルイが、初めて泣きながら訴えていた。
「僕は一緒に遊び回ることも出来ないし、いつまで生きていられるかもわからない… だけど、ニースにはずっと友達でいてほしい」
青白いルイの顔だったが、薄っすらと赤みを帯びた目頭浮かんだ涙の奥
✳︎堕天使 ニース✳︎(18)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
18ページ✳︎
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もう、天界に戻れる事はないのだと…
地上でもなく、天でもなく、二つの声しか聞こえない
宙ぶらりんのこの場所が、今の自分達の居場所を示しているように感じた。
誰からも、何かからも縛られない自由という孤独
だが、不思議と二人は、何故かその不安が和らいだ気がした。
ニースは笑い疲れ咳き込んだ後、鼻をすすりながら
✳︎堕天使 ニース✳︎(17)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
17ページ✳︎
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滑り込んだ扉の先…。
草が生い茂り、ツタが壁を覆い、あまり手入れをされていない外観からは想像もできないほどの美しい広間で、ニースは思わず息を飲みこんだ。
壁には数点の絵画が掛かっていて、広い空間の所々には、目を奪われる美しいオブジェが置かれている。
ニースは滑り込んだ体勢のままで、その神聖な雰囲気の静かな
✳︎堕天使 ニース✳︎(12)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
12ページ✳︎
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翌朝、大きなベルの音で子供達が目を覚ました。
ルイはルームメイトに気がつかれないようにニースを見て、
声は出さずに「おはよう」とニッコリと笑いかけ、服を着替えて大部屋へ行き朝食をとった。
朝食が終わると、他のみんなは学校へ向かったが、ルイは先生の車に乗り病院へ向かった。
ニースも車に乗り込み、ルイの座る後ろ
✳︎堕天使 ニース✳︎(13)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
13ページ✳︎
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病室に着くと、ルイは用意されていたパジャマに着替えベッドの上にすわった。
案内してくれた看護師が、簡単に入院の説明をして部屋を出ると、ニースはさっきから気になっていた事を聞いた。
「ルイ…、お前何だか嬉しそうに見えるけど…。入院が嬉しいのか?」
待合室で待っていた時の表情とは、まるで違う穏やかな笑みを浮かべる