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『ハグ』と『ごめんね』と『大好きだよ』私が子育てで大事にしていること

自分が育った家庭環境がまともではないことは思春期の頃から気づいていました。
なので、大学では心理学を学び、保育士になり、子育て関係の本もたくさん読みました。
でも、結局子どもをまともに育てることができず、子どもを可愛いと思う余裕もありませんでした。

それでも、子どもは日々成長していきます。
私にできることは、なるべく子どもの心を傷つけないようにすること。
おそらく、それは傷ついてきた私自身が子どもの時にして欲しかったことだと思いました。

それが、『ハグ』と『ごめんね』と『大好きだよ』です。
とりあえず、これだけは死守して子育てしてきました。
ダメな母親でも、愛情を感じられなくても、嘘でも、形だけでもいいので、これをしてると子どもを著しく損なうことが防げると個人的には思っています。

息子は今小6ですが、とりあえず元気にすくすく育ってくれてます。
もちろん、他の要因もあるし、回りのサポートもあったからだと思います。

そして、『ハグ』『大好きだよ』 に関しては、科学的に根拠となる学説があります。

『ごめんね』にはないのですが、個人的にはこれが1番重要だと思っています。
簡単に言うと、イライラして怒ってしまった時、冷静になってからでいいんで、子どもに『ごめんね』って謝るんです。
その時、なぜ怒ったのかの理由と必要以上に怒りすぎたことを必ずあやまりました。
『あなたが悪いわけではないんだよ』と伝えました。

私自身が子どもの時、感情的に怒られても何が悪かったのか、なぜ怒られたのかはまったく理解できず、ただただ私が悪い子だから怒られてるのだとずっと自分を責めてきました。
そして、自罰的なその考え方の癖が未だに抜けません。

イライラして子どもを怒りすぎることって、よくあることだと思うんですが、多くの人が子どもの寝顔を見て「ごめんね」って思って反省するだけなのではないでしょうか?

でも、それだと子どもは自分は悪い子なんだと思ったままなんです。
朝起きてからでもいいので、直接「あの時は怒りすぎてごめんね」って伝えることは、個人的にはとても大事だと思っています。
怒った内容については謝りたくない場合は「こうしたのは良くなかったよね。でも、ママも大きな声で怒りすぎたと思う。ごめんね。」って言ってハグしていました。

これが正しいのかはわからないのですが、子どもの頃の私が切実に必要としていたことだったのは確かです。
もしかしたら、押しつけなのかもしれませんが、個人的にはこの方法はやって良かったなと思ってます。


それぞれ具体的にどうしていたのかを書いておくので、興味のある方は一読いただけると幸いです。

『ハグ』

文字通りですが、今でも毎日3回(朝起きた時、学校に出かける時、寝る前)以上はハグしています。

思春期の男の子なので、いつまでできるのかわかりませんが、今のところ嫌がる様子はありません。

子どもが育つ上でスキンシップは必ず必要です。
これはハーローのアカゲザルの実験で証明されています。

スキンシップがないと愛着形成ができないので、いろいろなところに支障がでてきます。
私自身が生きづらさをずっと感じていて、最終的に躁鬱病を発症しました。

母がスキンシップを一切しない人で、ハグどころか手を繋ぐのも嫌そうにしていました。
母自身もされたことがなくて、寂しい思いをしてきたそうです。

それなのに、なぜ我が子にそれができなかったのか。
たぶん、スキンシップを学習してないので、やり方がわからないっていうのもあったんだと思うのですが、単純にベタベタするのが気持ち悪かったんだと思います。
私もそう感じてしまうので、その気持ちはよくわかりました。

これは感覚的なものなので、もうどうしようもないのですが、我が子とのスキンシップに喜びを感じれないことほど絶望的なことはなかったです。

でも、子どもには生きていく上で、ご飯と同じくらい大事で必要なことなので、スキンシップは積極的にするようにしました。

とりあえず、赤ちゃんの頃は抱っこでしか寝ないし、布団に降りなかったので、日中はずっとスリングで過ごしていました。
なので、スリングのまま布団干したり、掃除したり、トイレもそのまま行ってましたね。

もう少し大きくなってからも、ベビーカーは嫌がって乗らなかったので、2歳まで抱っこ紐で過ごしました。

その後もしょっちゅう抱っこしたり、ハグしたり、求められるスキンシップはなるべくしてきました。

夜寝る時もずっと一緒の布団で、さすがに小4からは別々の布団ですが、未だに1人で寝れないので、同じタイミングで布団に入ってます。

これは小さい頃に不安定な環境で育ったからだと思うのですが、おそらく他の子よりも必要以上にベタベタ甘えてきてました。

哀しいかな、そのことをどうしても不快に感じてしまってたのですが、それはこちらの事情なので、ものすごく調子の悪い時以外はなるべく応えるようにしていました。

ある程度満足したのか、去年あたりからはあまりベタベタはしなくなりました。
これを書いてて気づいたのですが、私自身も去年からやっと鬱状態から抜け出し、なんとか普通に暮らせるようになり、子どもが可愛いと思えるようになってきたんです。
スキンシップも苦でなくなったというか、逆にハグすることに喜びを感じれるようになってました。

やっぱり、形だけの対応だと子どもには伝わるのかもしれません。
それでも、しないよりは良かったと思っています。

うちの子はまだまだ甘えん坊ですが、思春期に入ると男の子は特にスキンシップさせてくれなくなるそうです。
早い子は小3からと聞きました。
うちの子もそのうち卒業するのかと思うと寂しいですが、必要とされる間は思う存分ハグしようと思います。

ちなみに母は息子が産まれた時も積極的に抱っこしようとはしませんでした。
本当に子どもが好きではないのだなと改めて思ったんですが、周囲の人には孫自慢していました。
孫っていうアイテムが増えたのは嬉しかったみたいです。

これは余談ですが、ハーローの実験のように私はタオルケットに愛着を求めて、ライナスの毛布状態でした。
今でもタオルケットは必須アイテムです。

『大好きだよ』

これもこのままですが、朝お見送りする時と寝る前に必ず言ってます。

愛情表現が大事なのは、いくら愛情があっても言葉にしないと伝わらないことと、子どもにはまず愛されているという基本的信頼がないと正常に発達することが難しいからです。

以下のエリクソンの発達段階でよく説明されています。

「推しの子」のアイではないですが、嘘でも「愛してる」や「大好きだよ」は絶対伝えた方がいいです。

私は親から愛されてると思ったことは一度もないし、それこそ橋の下から拾われてきた子なんだと思ってました。
実際、愛情がなかったのかもしれません。

我が子が可愛いと思える方は子どもがウザがるくらい伝えてもいいのではないかと思います。
ただでさえ、日本の子どもは自己肯定感が低いので、親は惜しみなく愛情を伝えるべきです。
それが根拠のない自信となって、その子の生きる力になります。

そして、余裕がなくて、子どもが可愛いと思えない方。私もそうでした。
しんどいかもしれませんが、なるべく「大好きだよ」と言ってあげてください。
心がこもってなくてもいいと思います。

その「大好きだよ」は子どもの大事なお守りになります。
自分はこの世に生きていてもいいんだという指針になります。
そして、「大好きだよ」と伝えることは、親になったものの義務であり務めです。

まとめ

長々と書いてしまったので、「ごめんね」の具体例は割愛します。

これは糸井重里さんがラジオで言ってたのですが、「愛は負けても、親切は勝つ」と言う言葉を紹介して、ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの話に例えて、偽物の愛だとしても限りなく本物の愛に近づけるんだという旨のことをおっしゃっていましてた。

糸井重里さんは、娘さんのことはとても可愛がったそうですが、スキンシップができなかったそうです。
でも、その娘さんはいま自分のお子さんとベタベタにスキンシップしているとおっしゃってました。
合成ダイヤでも、ちゃんと愛情は伝わるんだと示唆してらっしゃったんだと思います。

今、私は長かった鬱状態から抜け出し、まだ不安定ながらもまともな日常生活を送れるようになりました。
そのおかげか、子どものことも心から可愛いと思えるようになり、ハグすることに喜びを感じます。
でも、ここまで10年かかりました。

毒親という言葉に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、子どもが産まれた時に親に感謝できなかった人はおそらく子育てがとても辛いものになる可能性があります。

自分が子どもを愛情をかけて大事に育てれば育てるほど、自分自身が子どものころに同じようにしてもらえてないことに改めて気づくからです。


それでも、親として最低限すべきことがあります。
それが「ハグ」と「ごめんね」と「大好きだよ」だと私は思ってます。
それが無理矢理でも偽物でもいいのです。
ダメな母親のままでもいいと思います。

これから息子がどうなっていくかは、わかりません。
子どもの頃の育ち損ねは必ずどこかで、問題行動として出てきます。
それは子どものSOSなので、その時はしっかり問題とその本質に向き合って、対応できてらと思っています。

とりあえず、今のところは親として、子どもの成長の妨げとならないようサポートしていけたらいいなと思います。

追記

あと付け足すなら、「ありがとう」でした。
「産まれてきてくれて、ありがとう」
「ママとパパのところに来てくれてありがとう」
この言葉もなるべく言うようにしてます。

これも言われたこともない言葉ですが。
「あんたなんて産まなければ良かった」
これは言われたことありますね。

結局、自分のために子育てしてるのかもと思うと、いつか私も毒親と言われる日がやってくるのかもしれません。
その時は許さなくていいんだよと言ってあげたいです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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