チャージ症候群の娘
今日は娘の抱える難病について書きたいと思います。
令和4年9月末、娘は逆子のため帝王切開で生まれました。
コロナで立会いはもちろん面会さえもできない中、妻は独りで彼女を産んでくれました。
産科のお医者さんから出産報告のお電話を頂いたとき、長男のときとはまた別の嬉しさが込み上げました。また送られてきた写真を見るだけですが、それを見て、未だ全く受け入れられない不思議そうな表情を見せる長男の様子がとても印象的でした。
しかし、妻とLINEでやり取りをする中、少し気がかりな内容が送られてきます。
「耳の形が左右違う」「ミルクを飲むと鼻から出てくる」など。
逆子の場合、耳の形が変なことはあるし、ミルクも練習すればなんとかなるでしょう。
そう気楽に思っていたのも束の間、出産翌日に医師から大事な話があると、特別に産科に呼び出されました。
担当の医師から淡々と娘の現状が説明されていきます。
自分自身は案外冷静ではあったものの、妻の表情がどんどん険しくなっていくのを今でもよく覚えています。
記憶するところ医師から説明を受けた内容は以下の通りです。
①顔、体が左右非対称である
②耳の形が普通と違い、左右が違う
③心臓の弁と血管に小さな穴がある
④口蓋裂がある(口と鼻の間に亀裂がある)
⑤耳が聞こえていない可能性がある
⑥目が見えていない可能性がる
⑦脳の一部に欠損がある
特に①〜⑥が重なったことによりチャージ症候群の可能性があるとのことでした。
その他の異常の英語の頭文字を取ってCHARGEとなることからその名がつけられたとのことで、2万人に1人の難病のようです。
その医師の説明を聞いた後、「ごめん、ごめん」と泣き崩れる妻に何もすることができず、ただ単に「僕たちなら大丈夫!」と根拠のない言葉しか口に出せなかったことを今でも鮮明に覚えています。
でも、生まれてきた娘に対して、「かわいそう」とか「申し訳ない」とは絶対に思えなかった。これは母親と父親の立場の違いかもしれませんが、「非対称」「目が見えない」「耳が聞こえない」という言葉は「対称」「目が見える」「耳が聞こえる」を前提に言った言葉で、娘はそもそもそれを知らないで生きていく。
だからこそ、娘を「違う側の人」と考えたり、接したりすることは決してできませんでした。
その後、娘はより専門的な医療が受けられる総合医療センターに転院することになりました。そこでNICUに入ることになり、予想していた家族の生活が一変することになります。
ただ、この記事を書いている本日時点、娘は元気に、むしろお転婆に育っています。
彼女との生活はたった半年にも満たない日々ですが、今は愛おしくて仕方ありません。
そして、我が家にやってきてくれたことに本当に感謝したいと思っています。
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